第72話 口寄せ
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には超あるって事ですかね」
貧乳同盟がここで熱い握手を交わした。
「「誰が貧乳同盟ですか(ですの)!?」」
「んー......これって血よね?契約って事は何かしらの制約があるみたいね。旦那とその娘は契約済みで良いかしら?」
しかし、肝心のサソリは気にせずに麦野の質問に軽く答えていた。
「ああ、分かるみたいだな」
「職業柄よ。そういえば血を出していたけどそれが?」
「血の契約だからな。その分かなり術の精度が高くなる」
「ほうほう」
いつの間にか近くに来ていた佐天が巻物に触れて、達筆な字を指でなぞりだした。
「ん?」
探偵のように顎に手を当てて今までの情報を整理し始めた。
巻物
達筆な字
煙
「ふふふ......解ってしまったよ明智くん。ばっちゃんの名に懸けて!」
ビシッと指を伸ばしてサソリを指差した。
「佐天さん?」
佐天は砂浜を歩きながら自分が辿り着いた事の説明していく。
「つまりアレですね〜。これはいわゆる『召喚』ではないかとあたしは思うのですよ」
召喚?
「実はさっきのサソリの術を見たのは初めてではありませんでした。あれは数週間前......サソリがまだ入院していた頃に遡ります」
サソリの所有していた巻物とやらを渡されていたあたしは勇気を出して、中身を開いて確認しました
決して財宝のありかが書かれているという邪な考えはありませんでしたよ
念のために言っておきますが
開いてみるとこのような字体にそっくりなそれはそれは見事な字が並んでいましたよ
するとですね!
佐天の動きが止まり本題へと切り出した。
「謎の人形が煙と共に出現したんですよ。ええ、あれは驚きました。ずばり召喚ですね」
「召喚なら割と分かりやすい訳よ」
「わざわざ卑猥な言葉になさらなくても」
「何処が卑猥なんだよ......好きなように解釈して良いから。ほれ」
サソリが砂浜に不釣り合いな硯と筆を用意して墨をこしらえると、筆を名探偵佐天に渡した。
「はい?」
「そこに名前を書け。お前らもな」
「わ、分かった」
おおよそ、学校の授業でしか使わなかった筆を持ち、慣れない筆さばきで震えながらなんとか『佐天涙子』という文字に近いものを書いた。
「ヘッタクソだなー」
「う、うるさいわね!あんまり使った事ないからしょうがないじゃない!」
「まあいいや。次」
「わたくしに任せてくださいですわ」
扇子を広げた婚后がここぞとばかりに得意げに筆を取ると自分の名前をサラサラと流れるように書き出した。
「「おー!」」
生き物のように流動的で美しい字体に湾内達が感心したように声を漏らした。
『婚后光子』と書き終えると筆を置いて自慢をするようにサソリに見せた。
「どうですの!
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