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とある科学の傀儡師(エクスマキナ)
第72話 口寄せ
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口寄せの術
血で契約した生物または道具を好きな時、好きな場所に呼び出す事が出来る時空間忍術の一つ。
通常、親指に血を塗ってから印を結び、手をかざすことで術式が展開され、契約したモノが呼び出される。

「口寄せ?」
サソリの聞き慣れない単語に一同が首を傾げるとサソリは砂遊びをしているフウエイとじゃれ合って頭の上に乗っている黒猫を指差した。
「百聞は一見に如かずだな」
サソリは流れ作業のように親指を噛み血を流すと印を結び、砂浜に突き立てると黒い紋様のような字が開いた指先から流れ出て放射状に広がる。

口寄せの術!!

ボフンッと煙がサソリの周囲に立ち込めると「にゃっ!?」とフウエイの頭に乗っていた黒猫が擦れるような鳴き声を出して砂浜に落下した。



ミャ、ミャー?

さっきまであった自分のお気に入りの場所が不可解な消失をした事が理解出来ずに辺りをキョロキョロして身体を震わしていた。
黒猫のお気に入りの場所だったフウエイはかき消えていく煙の中から出現した。
「ふにゃ?」
フウエイも辺りをキョロキョロ見だすとサソリの掌に自分の頭が当たっている事を確認して、グリグリとサソリに甘え始める。

「?!」
「っとまぁ......こんな感じだな。よっと」
フウエイが両手一杯に手を広げて抱っこをせがんだのでサソリはそのまま持ち上げると優しく抱き抱えた。
「マジック?手品?」
「た、タネが分かりませんでした」
「後ろにいた子供が前に来て......??」
「またしても理解を超えた事をするものだな。サソリ君は」

御坂達はさっきまでフウエイがいた場所とサソリの腕の中に収まっているフウエイを交互に見やるが謎は深まるばかりだった。
「これが口寄せの術だが」
「ひょっとしますと......使うとサソリさんの腕に収まる能力ですの?なら羨ましいですわー」
湾内がニコニコしながら頬に手を当てて幸せそうに言った。

「口寄せって響きも何か卑猥ですわね」

口と口を寄せ合い、男女の深い仲を表す愛情の形。

「違えだろ!!何を見ていたんだお前らー!?」
「いや、あれで理解しろって方が超無理です」
絹旗がジト目でサソリを見上げると提案するように力なく答えた。

そもそも忍者や忍術がない時代であることも踏まえ、かつそこまで予備知識がない暁派閥のメンバーにしてみれば何かしらの能力を行使しているようにしか捉える事が出来ないのは仕方ない。

サソリは軽く唸りながら何処から説明した方が良いのか考えあぐねていた。
勝手やサソリの世界の常識が通用しないここ学園都市の中でどのように翻訳すれば良いのだろうか?

あ、そういや
『チャクラ』って言葉を知らん奴らだった

「うーむ......」
「パパ?」
片腕を
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