暁 〜小説投稿サイト〜
テキはトモダチ
British Rhapsody 〜赤城〜
Apology and Greeting
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!』
「来なくていい!! 来るんじゃあないッ!!」
『ロドニーも楽しみだよね?』
「はい……楽しみです……」
『ぐっばーい!』
「待ってくれ姉さん!! 姉さん!!!」

 ロドニーさんの阿鼻叫喚も虚しく、動画は唐突に真っ青な画面に切り替わり、やがて大淀さんの『終わりました』という冷酷な宣言によって、終了となった。

 ロドニーさんはしばらくの間、うつろな眼差しで天井を見つめながら、ぶつぶつと何かをつぶやいていた。よく聞き取れないが、『姉さん……』『イヤだ……』と繰り返し言っているような……?

 完全に力を失ったロドニーさんの右手に握られていた、スマートフォンがするりと落ちた。カタンという音とともに床に落ちたスマートフォンは、光り輝く画面が上になっている。

「お姉さんからのメールの内容は、結局何だったんですか?」

 ネルソンさんからのメールが気になってロドニーさんに聞いてみるが……返事はない。申し訳ないと思いつつもスマートフォンを拾って画面を見てしまう。本当にヤバいものなら、彼女も抵抗すると思うが……。

「ロドニーさん?」
「ああああああああ……」
「みちゃいますよ?」
「うああああああ……」

 聞いてないようだ。このロドニーさんがこれだけ恐れおののくなんて、どれだけ恐ろしい内容が書かれているのか……

「赤城、見ちゃいなさい」
「よろしいんですか?」
「かまわんよ。ネルソンさんの許可ももらってあるし」
「そうなんですか? お姉さんと話をされたんですか?」
「さっきの動画をロドニーに見せて欲しいって頼まれたときにね」

 提督にまで促されたのなら仕方ない。ネルソンさん本人の許可も得ているという話だし。意を決し、私は画面に表示されている、ネルソンさんからのメールの文面を読んでみた。

「……」
「赤城さん? なんて書いてあるのです?」
「ネルソンさん、近いうちにこの鎮守府に来るようです」
「ホントなのです?」
「ええ。みんなに挨拶したいそうですよ。日本の鎮守府運営の視察も兼ねて」
「楽しみなのです!!」

 私は嘘は言っていない。

 ただ、ロドニーさんの沽券に関わる部分は、意図的に伝えてないだけで。

「なるほどね……あー……ところで、ロドニー?」
「あああああああああ……あばばばば……」

 提督の声すら耳に届かないロドニーさんは、もはや情けない声を半開きの口からダラダラともらしつづける、どこかのダメ親分と同類になってしまった。天龍二世さんとの距離が縮まりそうだ。彼女もそう遠くないうちに、天龍組の一員になるのだろうか。

「ロドニー?」
「あばばば……ハッ!? な、なんだ司令官!?」
「あー……おほん。みんなに、なにか言うことがあるんじゃないの?」

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