British Rhapsody 〜赤城〜
Apology and Greeting
[7/9]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
!』
「来なくていい!! 来るんじゃあないッ!!」
『ロドニーも楽しみだよね?』
「はい……楽しみです……」
『ぐっばーい!』
「待ってくれ姉さん!! 姉さん!!!」
ロドニーさんの阿鼻叫喚も虚しく、動画は唐突に真っ青な画面に切り替わり、やがて大淀さんの『終わりました』という冷酷な宣言によって、終了となった。
ロドニーさんはしばらくの間、うつろな眼差しで天井を見つめながら、ぶつぶつと何かをつぶやいていた。よく聞き取れないが、『姉さん……』『イヤだ……』と繰り返し言っているような……?
完全に力を失ったロドニーさんの右手に握られていた、スマートフォンがするりと落ちた。カタンという音とともに床に落ちたスマートフォンは、光り輝く画面が上になっている。
「お姉さんからのメールの内容は、結局何だったんですか?」
ネルソンさんからのメールが気になってロドニーさんに聞いてみるが……返事はない。申し訳ないと思いつつもスマートフォンを拾って画面を見てしまう。本当にヤバいものなら、彼女も抵抗すると思うが……。
「ロドニーさん?」
「ああああああああ……」
「みちゃいますよ?」
「うああああああ……」
聞いてないようだ。このロドニーさんがこれだけ恐れおののくなんて、どれだけ恐ろしい内容が書かれているのか……
「赤城、見ちゃいなさい」
「よろしいんですか?」
「かまわんよ。ネルソンさんの許可ももらってあるし」
「そうなんですか? お姉さんと話をされたんですか?」
「さっきの動画をロドニーに見せて欲しいって頼まれたときにね」
提督にまで促されたのなら仕方ない。ネルソンさん本人の許可も得ているという話だし。意を決し、私は画面に表示されている、ネルソンさんからのメールの文面を読んでみた。
「……」
「赤城さん? なんて書いてあるのです?」
「ネルソンさん、近いうちにこの鎮守府に来るようです」
「ホントなのです?」
「ええ。みんなに挨拶したいそうですよ。日本の鎮守府運営の視察も兼ねて」
「楽しみなのです!!」
私は嘘は言っていない。
ただ、ロドニーさんの沽券に関わる部分は、意図的に伝えてないだけで。
「なるほどね……あー……ところで、ロドニー?」
「あああああああああ……あばばばば……」
提督の声すら耳に届かないロドニーさんは、もはや情けない声を半開きの口からダラダラともらしつづける、どこかのダメ親分と同類になってしまった。天龍二世さんとの距離が縮まりそうだ。彼女もそう遠くないうちに、天龍組の一員になるのだろうか。
「ロドニー?」
「あばばば……ハッ!? な、なんだ司令官!?」
「あー……おほん。みんなに、なにか言うことがあるんじゃないの?」
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ