British Rhapsody 〜赤城〜
Apology and Greeting
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「未読……よんじゅう……はちけん……だと……ッ!?」
真っ青なロドニーさんが、握りつぶされたような声で、消え入りそうな悲鳴を上げるようにそうつぶやいた。
「全然気が付かなかったんですか!?」
「ハァー……ハァー……」
息苦しそうに浅い呼吸をしながら、ロドニーさんが震える指でスマートフォンの画面をさわさわしている。彼女がメールの画面を開いた途端、食堂には、彼女のメール受信音が嵐のようにけたたましく鳴り響いた。
――すぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽんっ……すぽぽぽんっ……すぽんっ
「あなたどれだけ放置してたんですかッ!?」
「い、いやあの……お前との戦いとかここから離れることばかりに気がいって……!!」
「限度があります! 司令部からの連絡を48件も無視し続けるって……どれだけ度胸の無駄遣いをしてるんですかッ!?」
「いやしかし……!!」
「しかしもクソもありません!!」
冷や汗だらだらのロドニーさんに、あらん限りの憤怒の感情をぶつける私。ホームとなったこの鎮守府から離れる悲しみはわからなくもないが、それでも上層部からの連絡をそんなに放置し続けるとは何事か。今日ばかりは彼女に説教をくれてやりたい気分だ。あとで鳳翔さんにお願いして、今晩のロドニーさんの晩御飯は抜きにしてやる。
私の叱責を受けたロドニーさんは、大慌てでスマートフォンをさわさわし、司令部からのメールを確認しはじめた。よほど動揺しているのか……別にそこまでやれとは言ってないのに、彼女は一件一件、震える声で送信者とタイトルを読み上げていく。
「『命令撤回と新しい任務に関する連絡』送信者、大将……」
「次!」
「『再送。命令撤回と新しい任務に関する連絡』送信者、大将……」
「次!!」
「『再再送。命令撤回と新しい任務に関する……」
「次!!!」
そうして20件目に到達した時だ。ロドニーさんの雰囲気が、明らかに変わった。
「『通告』送信者……」
「そのメールの送信者は!?」
「……!!!???」
「誰なんですかッ!?」
「……ネル……ソン……ねえさんッ……!!?」
まるで稲妻に打たれたかのように身体をのけぞらせ、ピクピクと痙攣しながら天井を見上げたロドニーさんの目は、白目になっていた。まるで酸欠気味の金魚のように口をパクパクとさせ、死闘の時以上のピンチの様相を呈している。何この人おもしろい。でも怒りに任せた追求は止めない。
「で!? メールの内容は!?」
「パクパクパク……く……ねえさ……が……」
「聞こえません!! 何だったんですか!!?」
『……ロドニー?』
ネルソンさんの、柔らかい声が響く。この声を聞いた人は、『なんて優しい声なのだろう』と思うかもしれない。実際、ネルソンさんの声
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