British Rhapsody 〜赤城〜
Apology and Greeting
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のようだ。見ているだけで、心が暖かくなる
『あーそうそう!』
お姉さんが唐突に勢い良く顔をカメラに向ける。楽しい人だ。こうやって数分見ているだけで、くるくると表情がよく変わる。ロドニーさんと比べると、このお姉さんは本当に表情豊かで魅力的だ。
……だが、お姉さんの次のセリフを聞いて、私たち全員は、時が止まった。
『ロドニー?』
「は、はい姉さん!」
『この命令は、本当は3日前にロドニーに届いてるはずだよ?』
「……は?」
頭にはてなマークが浮かぶ。この命令は、3日前にロドニーさんに届いていた……だと……?
「ロドニーさん」
「う……う?」
「どういうことですか?」
「電も知りたいのです」
「この戦艦棲姫にも聞かせろ」
「わ、わからない……私にもさっぱり……」
ロドニーさんが両目を踊らせながら私たちを振り返り、提督以外の全員が、提督と同じ……いや提督以上の死んだ魚のジト目でロドニーさんを見る。この人数のジト目によるプレッシャーは、いくら歴戦の猛者であるロドニーさんでも耐えられないようで、額に汗をかき始め、プレッシャーに押されて少しずつ後ずさりをしはじめた。
全員からの無言の非難……流石に少し不憫な気もしたが、私には、全員を止めることはできない。なぜなら……
「ロドニーさん?」
「ど、どうした?」
「私たちにここまでさせておいて……どういうことでしょうか?」
私が筆頭で、彼女をジト目で睨みつけているからだ。あの死闘は何だったのか……この感動的なお別れ会は何だったのか……これはキチンと説明をしてくれなくては、皆の心配りが無駄になる。
「あー……あー……コホン……ロドニー」
控えめかつわざとらしい咳払いが聞こえ、提督がロドニーさんをジッと見ていることに気がつく。提督の眼差しはいつもと変わらない死んだ魚の眼差しだが……まさか提督の眼差しが、この空間の中でもっとも温かい眼差しだなんて……そんな日が来ることを一体誰が予想したであろうか。
「な、なんだ司令官?」
「お前さん、ここを去ることと、赤城と決着つけることばっかりに気を揉んでたろ」
「あ、ああ……」
「やけくそ気味に『帰る』って返事したあと、そのことばっかり気になってて、本国からの通信に全然目を通してなかったろ」
「……え」
「俺、今日司令部からお叱りを受けてな? ロドニー宛の通信が受信されてないって、お前さんの本国からクレームが来たらしいのよ」
「……!?」
何か心当たりがあったようだ。ロドニーさんは冷や汗をだらだらとかきながら、懐からスマートフォンを取り出した。そんなもので司令部からの連絡を受けていることにも驚いたが、それよりも驚いたのが、その件数。
「!?」
『ロドニー?』
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