暁 〜小説投稿サイト〜
テキはトモダチ
British Rhapsody 〜赤城〜
Apology and Greeting
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 今まではなし崩し的にこの鎮守府にいたロドニーさんだが……本国からの指示により、今後は胸を張ってこの鎮守府にいられるようだ。お姉さんからのサプライズプレゼントは、ロドニーさんの帰国を取り消しただけでなく、お墨付きもくれたわけだ。彼女が嬉しくないはずがないだろう。

「ロドニーさん、帰らなくてもいいのです?」
「やったなロドニー!!」
「フンッ……悪運の強い奴だ」
「よかった。また今日からご飯いっぱい炊けますね」

 静かにジッと画面を見つめるロドニーさんの元に、みんながワッと押し寄せてきた。電さんと天龍さんは涙で顔をくちゃくちゃにしている。憎まれ口をたたく戦艦棲姫さんもどこか嬉しそうだし、鳳翔さんもご飯をいっぱい炊くのがうれしそうだ。

 よかった。私も胸が温かい。大きな安心が身体を包み込む。何のことはない。私も寂しかったんだ。同じバトルジャンキーで、唯一、死闘で分かり合うことができた私の仲間、ロドニーさんと別れることが。

 安心したら、フと涙がこぼれそうになった。画面から顔を反らし、涙を人差し指で拭う。これは、うれしい命令なんだ。こんなにうれしい命令に、涙は似合わない。私も笑おう。

『サクラバ大尉。戦艦ロドニーを……私の妹を、これからもよろしくお願いします』
「いえいえ、こちらこそロドニーにはお世話になりますよー」
『赤城型航空母艦、一航戦の赤城さん』
「は、はい!?」

 唐突にお姉さんに名前を呼ばれ、ビクンとしてしまう。涙をためていたから目が真っ赤だ。ロドニーさんが私を見ていて、恥ずかしい……

『あなたのことはロドニーから聞いています。特に仲の良い方だとか……』
「ま、まぁ……」
『バトルジャンキーで融通が効かないくせにちょっと抜けてて視野狭窄になりやすいところがある妹ですが……根は優しい子です。……これからも、仲良くしてやって下さい』
「バッ……姉さん!?」
『赤城さん。それから、鎮守府の皆さん。どうか……どうか妹を、よろしくお願いします』

 画面の中のお姉さんはそう言い、私たちに対して深々と頭を下げた。それを受けて、私はつい反射的に敬礼のポーズを取ってしまう。提督も同じく敬礼のポーズを取っていた。他のみんなもお辞儀をしたり敬礼をしたり、『コワイカー』とバンザイしたり……反応は様々だ。

『いやー、やっぱこんなのは堅っ苦しくて性に合わないわー!!』

 ロドニーさんへの下命を終えたネルソンさんはそう言って軍帽を脱ぐと、照れ笑いをしながら、その手に持った軍帽で自分をバタバタと仰ぎ始める。彼女は今、ロドニーさんのお姉さんに戻ったようだ。ロドニーさんとほぼ同じ顔の人が、ロドニーさんが絶対に見せない表情を見せる……なんだか楽しい人だ。上官としての威厳も持ち合わせた、とても魅力的な人
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