異世界への帰還
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嫁に行く事になりました」
途中一名、何の変哲も無いイリヤが帰宅したが、クロエは記憶以外一応別人で血印無し、桜はこの世界の先輩のように、告白しても「聞いてなかった、聞こえなかった」系の難聴主人公に愛想を尽かし、自分が生きているだけでガチ泣きしてくれる先輩の所にお嫁に行くと言い切った。
「「「「い、異世界?」」」」
ママの動物的な感でも、異世界人はちょっと想定外で、目の前の傷あり士郎と、この家の士郎は傷以外で見分けがつかず、先程のバゼットも桜も見分けが付かなかった。
「おいおい、どうしたんだ? まだ時差ボケで眠いんだ」
そこに切嗣まで登場してさらに混乱を招いた。
「お、親父……」
また異世界の傷あり士郎が絶句して、生きている義父を見て、もう一度「ぶわあっ」とか擬音を出しながら目の幅で泣き始めた。
「親父〜〜〜〜っ!」
こらえきれない涙を流し、今までの辛かった事、美遊を抱えて正義を成すか妹を救うか一人で悩んだ事、美遊を外に出掛けさせてしまい朔月家の墓でジュリアンに攫われてしまった事、桜も美遊も失いながらも聖杯戦争を勝ち抜いて、せめて美遊だけでもこの世界に送り届けた事、友人を作って元の世界に帰ってきた美遊を、自分の力では救い出せなかった事、イリヤ達が自分も美遊も救ってくれて、その上で聖杯2つで奇跡を起こして、自分たちがいた世界を救ってくれた事まで泣きながら異世界の切嗣に報告してしまい、自分でも伝える相手ではないと気付いていたが、それでも体では全部切嗣にぶち撒けてしまわないと居られなかったので残らず話した。
「辛かったな、でもよくやった、士郎」
もうその言葉だけで補完されちゃって、満足して、緊張の糸がプッツリ切れて泣き、クロエにもアンリマユされてニヨニヨされてしまい、生暖かい目で見られた。
「親父〜〜〜〜っ!」
ママもセラもリズも、士郎がここまで男泣きしながら話すのを止められず、全部聞いて貰い泣きしていたので、イリヤもグーパンや梅干し百回を免れた。
「クロエは一回死んじゃったのかい? そんな無茶はダメだよ」
「アハハ、イリヤに吸収されたというか、何というか」
体に穴が開いて、軽く死にそうだったのを吸収されたので、予定調和と言うか何と言うか、説明できずに困るクロエ。
「こっちの士郎は、何か「大人になった」と言うか、もう「一皮剥けた」感じだな」
普通の表現で成長した士郎を褒めた切嗣だったが、女達にはもちろん括弧内が別の意味に聞こえた。
「「「「「なにいいいっ?」」」」」(ママ、セラ、リズ、桜、イリヤ)
一緒に行動していたイリヤも、自分たちが行く前に、アンジェリカとかベアトリスに、鎖で繋がれたままの士郎が、あんなことやこんなことをされて、跪いて足を舐めさせられたり、足で踏まれたりして調教されたのでは無いかと思えた。
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