MySword,MyMaster
Act-3
#4
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。城型の宝具を使う、と思しき英霊が。
聖遺物から、その真名は最早明らか、と言っても過言ではなかった。しかし逆に、宝具からだけでは候補者が多すぎて、『どの人物』なのかが分かりづらい、という面もある。
聖杯戦争に於いて、真名の把握と言うのは非常に大きなアドバンテージだ。
一刻も早く、この情報を、鏡面界の中にいる雪華へ。
そのためには、通信手段、あるいはアクセス手段の発見だ。初日から続けているこの作業だが、一向に解決の気配がない。
それどころか鏡面界のセキュリティは万全過ぎて、その構造を露呈させた今となっても、鮮明な画像を始めとした、聖杯戦争に直接関与する為の情報は、一切提供してくれない。
幸い、術式ハッキングができる余地はまだ残っている。
僕は体を起こすと、魔術を起動。ホログラム・ウィンドウとして、自らのアクセスしている経路を表示する。
「……局長。せめてもう少しお休みになられてからの方が……」
「そ、そうですよ。目、充血してますし……隈も出来てますよ?」
メンバー達が心配してくれる。けど。
「大丈夫。僕はこの命を削ることになっても、雪華を助けるって決めているから――」
笑う。それしかないから。
届け、雪華に。
かつて円卓を率いた騎士王は、蛮族たちを切り払い、ブリテンの平和を護ったという。
僕も、彼の様に。黄金の剣で、この異世界への扉を、切り払って見せる。
――かちり、と。
『なにか』と僕が接続した、音。
つながった、と、確信した。
何と?
聖剣と。
きっとこの時、誰かが僕の魔術回路や、姿を良く確認していたなら、異変の理由に気が付いただろう。でも、今、それは、僕だけしか知らない事。
――聖剣闘法、起動。騎士王の『聖剣』と僕自身をつなげることで、僕を一時的に、最高級の魔術師へと『創り替える』。
湖の乙女が鍛え、魔術師マーリンがアーサーへと授けた、『使い手を不老不死に変える』聖剣。その性質を応用した、再創造の魔術こそがそれだ。
使用には非常に面倒な制限が色々あるし、今僕も意図的に発動させたわけではない。父さんは出来たらしいけど、僕には無理だ。
ただ――神代から伝わる、星屑の魔力が、無尽蔵に僕に力を与える。目に見えて作業の速度が上がる。把握できる世界の規模が、広がる。支配しろ、異世界を。手に入れろ、鏡面界の全てを。
僕が――あの世界の、王になる。
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