MySword,MyMaster
Act-3
#3
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の宝具だ……あれと打ち合っていては、恐らくいつまでたっても決着はつくまい”
ふむ、とグレーシャは考え込む。
これまでグレーシャとセイバーが出会ったサーヴァントは四基。バーサーカー、アーチャー、ランサー、アサシン。
エクストラクラス、と呼ばれる特殊事象が発生しなければ、セイバーを除けば残るクラスはサーヴァント位階第五位・ライダーと、同じく第六位・キャスター。
さほど高くもないステータス。しかし非常に高いレベルの技量と、強力な宝具。
これらの特徴から察するに、恐らく、あのサーヴァントは――
”ライダーのサーヴァント、ですか”
”だろうな……他にも宝具を隠し持っている可能性もある”
宝具、というのは、原則としては一基のサーヴァントにつき一つだ。複数の宝具を持つサーヴァントは少なくはないが、主力となるほど強力なモノを複数持つサーヴァント、というのは珍しい。
しかしライダーのクラスのサーヴァントは、例外的にこれを満たすものが多い。
ライダーの特徴の一つとして、『多彩な宝具』というのが上げられる。
ライダーのサーヴァントは、強力かつ汎用性に富んだ宝具をいくつも有している。
例えばシャルルマーニュ十二勇士と名高い英霊、アストルフォが、ライダーのクラスとして呼ばれた場合。彼は夢幻と現を行き来するこの世ならざる幻馬の他に、中華の王子アルガリアより得た魔槍や、聴いたものを恐慌させる角笛、更には魔女より与えられた、あらゆる魔術を妨害する書物などを宝具として具現化するに違いない。最も、アストルフォという英霊は理性が蒸発している、という伝承がある為、ライダーではなくバーサーカーなのでは? とも思うが。
ともかく。
一見派手さは無いが、しかし非常に強力な宝具を使い分ける――それがライダーの特徴である。
もし、今セイバーと交戦しているフードのサーヴァントがライダーなのであれば、騎士王が宝具だと推測したその棍だけでなく、更に大量の宝具を保有している可能性も捨てきれないのだ。
故に、警戒が必要だ――
そして、その時。
「――」
ライダーが、大きく飛びずさった。
「……!」
セイバーが追随する。アーチャーとの戦闘で見せた、相手との距離を開けない、奇妙な歩行方法。しかしライダーはひらり、ひらりとセイバーの追跡を躱し、そして、大きく飛び上がると――
「――『騎英の手綱』」
口遊んだ。
それは、祝詞だ。祈りを具現化させるための、祝詞。人々の祈り。祝福。願い。幻想。神代から現代にいたるまで、神秘の有無、そしてその知識の有無にかかわらず、人間たちが『かくあれ』と、英雄たちに託してきた、ユメ――
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