S-3 ■■■■■■
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『オマエ ヨワイ キョウミ ナイ』
侮辱された黒髪のセイバーは怒りの表情で駆ける。そのスピードは凄まじく、捉えることは出来ないだろう。その直後、打撃音が響いた。
「ぐっ……あっ……!?」
鱗のセイバーは右腕を振るっただけ、それだけで超スピードである黒髪のセイバーの突進をいとも容易く吹き飛ばした。しかし黒髪のセイバーもそれだけで済ますほどの英霊では無かった。
直ぐに真横に跳躍、そこから前方への大幅な跳躍。一瞬で黄色の短槍の連続突きを鱗のセイバーにお見舞いする。数撃は鱗に阻まれたようだが、同じ箇所を貫いた短槍は鱗を削ぎ、翼を穿ち、複数の傷を残した。
『ジャマダ』
直後、鱗のセイバーが両手を黒髪のセイバーに向ける。そこからは業炎が噴出し、黒髪のセイバーを容易に飲み込んだ。
「セイバー!」
黒髪のセイバーのマスターが叫び、魔術を紡ぐ。どうやら治癒魔術のようだが英霊の炎による攻撃を何処まで凌げるかは分からない。
炎は唐突に止んだ。鱗のセイバーが止めたのかと思ったが反応を見るに炎を止めた様子ではない。
黒髪のセイバーが見える。右手には変わらず純白の長剣、左手には紅の長槍ではなく、柄が青色の短剣──と呼ぶよりももう少し長い、小剣のようなものだった。
その小剣は柄だけが青色で刀身は鱗のセイバーの放った炎のような色をしていたが刀身はすぐに柄と同じ青色になっていた。
ここから分かることはあの小剣が「炎を消すないしは止めることができる」能力を持っている事が分かった。アレがセイバーの言っていた「あと一本」なのだろう。
「主よ、感謝します……」
黒髪のセイバーはそう言い、着地する。再度剣を構え、その顔は一撃を喰らったにも関わらず諦めの色は無い。むしろ作戦が上手くいったかのように笑みを浮かべている。
黒髪のセイバー陣営から視線をはずし、オレは自身のセイバーの元へ駆け寄る。
「セイバー、アイツの事を知っているんだな?」
オレはセイバーにそう問う。
「……宿敵だ。生前に殺した」
「なら……××××××だな?」
オレはその「宿敵」の真名であろう名前を口に出す。セイバーは何も言わない。無言の肯定と言うものだろう。
「アレはオレから見てもどうにもならないような強さだが……勝てるか?」
その問いにもセイバーは答えない。だが、目前に敵は迫っていた。暗い金色で鈍く輝く剣、圧倒的な程の威圧感がセイバーに迫る。セイバーは恐るべき反応速度で鍔迫り合いに持ち込む。
「その剣はそのような用途では……ない……!」
魔力の奔流がセイバーを包み、敵を吹き飛ばす。
「セイバーとそのマスター。決着は後回しにさせて貰おう。このセイバーは俺の宿敵、倒
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