S-3 ■■■■■■
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れなくなる。スピードが速いと言う理由ではない。恐らく《幻影外套》の効果だろう。
視認できる限りのステータスだとセイバーには今、《怪力(偽)》と《魔力放出(偽)》がランクA+で存在している。怪力、魔力放出自体は既に確認していたが、その二つはさっきまでランクC+程度だった。
セイバーが消える、否、透明になる。マスター権限が無ければマトモに視認できないだろう。
スキル判明《怪力(偽)》──魔物、魔獣のみが持つとされる攻撃特性で、一時的に筋力を増幅させる。一定時間筋力のランクが一つ上がり、持続時間はランクによる。この場合外套の効力により追加されているので魔物、魔獣の縛りは存在しない。
スキル判明《魔力放出(偽)》──武器・自身の肉体に魔力を帯びさせ、瞬間的に放出する事によって能力を向上させるスキル。いわば魔力によるジェット噴射。絶大な能力向上を得られる反面、魔力消費は通常の比ではないため、非常に燃費が悪くなる。
二つのスキルの説明が一気に流れ込んでくる。後者の魔力放出は通常の聖杯戦争なら抑える所だろうが、今回の聖杯戦争はある程度まで気にしなくて良い、とても使い勝手のいいスキルだ。
黒髪のセイバーは静かに剣と槍を構えたまま、動かない。
「…………!」
黒髪のセイバーが槍を虚空へと突くと火花が散り、セイバーが姿を現す。
「やはり……お前のような剣士にそのような小細工は似合わないぞ!」
黒髪のセイバーが発したその言葉。それもそのはず。以前の聖杯戦争からの情報で
『三騎士の剣士、弓兵、槍兵として召喚される時、その英霊の『伝承に名を残す程の英雄』として語り継がれた側面が強く出る為に騎士道にも似た品格を身に宿す』
と言われている。そんな英雄が姿を隠しても正面からしか仕掛けない……と言うのが黒髪のセイバーの考えだったんだろう。そしてその考えは的中していた。
「その外套はアサシン向きだな……!」
「ああ、隠蔽能力だけならな……」
鍔迫り合い状態になっていた二人を見ていると、セイバーの纏う魔力が刀身に、腕に集中し、剣を補助するかのように凄まじい力で押し出す。その力に耐えきれず、黒髪のセイバーは体勢を崩した。左腕は完全に後方、右腕の剣は辛うじて振れるだろうが左腕への衝撃で黒髪のセイバーがセイバーに攻撃をすることはほぼ不可能であろう、と言うことが剣に関して無知なオレでも理解はできた。
「貰った……!」
セイバーの静かな気合いの入った声と共に剣閃が煌めく。完全に黒髪のセイバーの脇腹を抉ると確信していたその剣は脇腹を捉えられる数センチ前の所で完全に停止した。
「ぐっ……」
そう声をもらしたのはオレのセイバーだった。よく見るとセ
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