S-3 ■■■■■■
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凄まじいほどの気迫。その気迫に圧されそうになったがセイバーは構えを解かず、口を開いた。
「俺で良ければ全力で相手をしよう……高名なる騎士よ……!」
その言葉は「お前の真名を特定した」というニュアンスが含まれていたように思えた。
だが次の瞬間には黒髪のセイバーの姿はセイバーの目前に迫っていた。剣による一撃が凄まじい速度で迫る。その一撃をセイバーは腕を振るい、謎の力と共に弾き返す。だが即座に黒髪のセイバーの槍が風を切りながら、鋭い突きがセイバーの脇腹を捉えようとする。
サーヴァントでも、オレの魔術ならある程度の攻撃なら止められるまでは行かなくても阻害は出来る。
そう、確信していた。だがその確信はセイバーの脇腹を深々と突いた光景を見て、それが間違いだったと気がつく。
「ぐっ……!」
セイバーが苦痛の声を漏らす。その顔は元の整った顔を少し歪めていた。
膜盾を視認すると膜は全ては剥がれておらず、突かれた部分のみ膜が消えていた。しかし次の瞬間、黒髪のセイバーが槍を引くと膜は元に戻っていた。
「────────!」
後者も気になったが、咄嗟に詠唱を開始しセイバーの傷が回復させる。
「感謝する……治癒は十分に効いている」
セイバーの声を聞き、オレは安堵する。黒髪のランサーを見ると左手に握られた長槍の先端にはその紅の身よりも深く、黒い液体が滴っていた。
「魔力によって筋力差を埋めたか……だが俺の槍の味はどうだった?」
黒髪のセイバーの言葉にセイバーは突かれた脇腹を擦る。
「こう簡単に突かれるとはな……」
セイバーがそう言いながら剣を構え直す。セイバーの身体を包んでいた魔力が密度を増す。ステータスも筋力の値が1ランク以上アップしている。
「では、この外套の本当の力を出させてもらおう……《幻影外套》!」
そうセイバーがそう言うと更にセイバーの筋力値が上昇する。B--と表示されていたステータスがA+へと底上げされる。それと同時にセイバーのステータスが見にくくなり、セイバーの姿も幻のように薄く、揺らぐ。
《幻影外套》───それがセイバーが口にした宝具であろうあの不思議な外套の真名。それを聞けばもうセイバーの真名には大抵の予測が付く。
だが、おかしい。もし、オレの予想する真名が当たっているのならおかしい所がいくつかある。
「それがお前の宝具か。少々失礼だがてっきり剣だと思っていたが……違うのか?」
黒髪のセイバーがそう問う。セイバーは剣を引き、己の剣を見据える。
「……勿論、この剣もそれなりの真名を持つ。俺には勿体ない剣だ。その力は後程見せるとしよう」
「来い……!」
セイバーの身体が捉えき
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