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n-01
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笑い方をしてあいていた片方の手で私の顔を優しく触る。それが、気持ち悪くて、汚くて。私の瞳からは涙が零れた。

「あぁ、いいねぇ……」

 男は涙を見てそんな事を言い、汚い舌で私のほほを舐める。ひやぁ、と泣き声のような音を漏らし、顔を背けようとすると片手で力強く男のほうを向かせられて逃げられない。やめてっ。そんな思いも声にならない。ただ、だらしない泣き声としてもれるだけ。嫌だ、嫌だ、と足を動かしたり、腕に力を入れてみるものの、びくとも言わない。でも、そんなものでも男には少し煩わしく感じたらしい。男は頬から手を離し、どこからか取り出したか分からない短剣をザンッと私の目の前へと振り下ろした。ヒィッと情けない声が私の口から漏れ出す。

「女ァ、死にたくなかったらじっとしてろ。じっとしてたら痛いことはしねぇ……。それよか気持ちよぉくしてやるよ」

 ねっとりとした男の声が私の耳に纏わりつく。私はびくびくしながら、動けずにいた。それどころか、体に力が入らない。さっきまではきちんと動いていたのに。手も、足も。私の意志のとおりに動いてくれない。それどころか、震えを止めようとしているのに、更に大きくなっていく。







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