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ファイアーエムブレム聖戦の系譜 〜幾多の星達〜
199部分:二本の槍その一
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ります。古い時代は彼方に沈み新しい時代の陽が昇ろうとしているのです。兄上も、トラキアも新しい時代に入られその陽を導かれるべきなのです、そして・・・・・・
そして・・・・・・」
 顔を下に向け頭を振った。熱い雫が巻き散らされる。
「もう私の気持ちはわかっておられる筈です!どうして私達が戦わなくてはならないのですか!」
 アルテナの瞳から涙が溢れ出ている。それは頬を伝い首筋を流れていった。
「兄上は・・・・・・兄上は馬鹿です、父上の私の気持ちを知っていあんがら、ご自身のお考えを押し潰されて・・・・・・」
 次第に嗚咽が混じりだし声にならなくなりだした。アリオーンはそれを黙し一言も語らず表情も変えず聞いている。
「・・・・・・アルテナ、いいだろう。私も行こう。御前と共にな」
「え・・・・・・!?」
 泣くのを止めた。ふと兄に目をやる。
「ただし条件がある」
「・・・・・・・・・」
 真摯な表情である。アルテナの涙をも止めてしまった。
「私と一騎打ちをし勝ったならばな。時は明日正午、場所はゴート砦だ」
「そんな・・・・・・
 だがそれ以上言う事が出来なかった。言葉すら出なかった。
「良いな、まさか拒むのではあるまい」
「兄上・・・・・・」
「以上だ、明日会うのを楽しみにしているぞ!」
 アルテナにそれ以上言わせなかった。全騎に令を下し踵を竜首を返して飛び去って行った。

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