第三十三話 落ちる薔薇その六
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「そう考えています」
「左様ですか」
「そうされるおつもりですか」
「ではその時が来たら」
「お二方をですね」
「この国に。あくまで出来ればですか」
二人はそれぞれの国の王妃だ、それだけに多忙であり国にいなくてはならない事情も存在している。だがそれでもだ。
マリーは四国を一つに考えてだ、こう言うのだ。
「四国を再び一つにする布石の一つとして」
「お二方がですね」
「共にこの国に入られ」
「そしてそのうえで」
「マイラ様と」
「私と共にです」
三人でというのだ。
「お姉様にお会いすべきと考えています」
「そうですね」
ここまで聞いてだ、デューダー卿が主に深く考える顔で言って来た。
「それはです」
「いいとですね」
「私も思います」
こうマリーに述べた。
「ですから」
「はい、それではですね」
ロドネイ公も言ってきた。
「お二方に文を」
「送ります」
マリーはロドネイ公にも確かな声で述べた。
「そうします」
「そうですか、では」
「お姉様のご様子はよくわかりませんが」
「それでもですね」
「急いだ方がいいです」
こう判断してのことだ。
「ですから」
「はい、それでは」
「文を」
「一つ気になることは」
キャスリング卿が言うことは。
「マイラ様に常におられたオズワルド公と司教殿がです」
「近頃はですね」
「お顔が暗いです」
「そうですね」
「あのお顔を見ますと」
「どうしてもですね」
「はい、やはりです」
キャスリング卿が見てもだ。
「マイラ様のご様子は悪いです」
「そうなりますね」
「ではです」
最後に大司教が言ってきた。
「今日のうちにもです」
「文を書き」
「お二方に送りましょう」
「そうします、では今から」
「書かれますね」
「はい」
そうだとだ、マリーは実際にセーラとマリアにそれぞれ文を書いた。それを送ってからだった。マリーは側近達に言った。
「これで、です」
「お二方にはですね」
「お話がいきますね」
「そしてそのうえで」
「お二方も」
「そうですね、来きます」
二人にとっての祖国であるこの国にというのだ。
「戻ると言うべきかも知れませんが」
「お三方が揃って」
「マイラ様に会われる」
「そうされますか」
「あの方の枕元に行かれ」
「そうですね、間に合えばいいですが」
マリーは不安も感じて言った。
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