カレー教徒
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特に誰も突っ込まず「ああ異世界だし仕方ない」と思ったが、クロエ達が昼食の準備に立った後、無口なバゼットの前には無口なバゼットが座っていた。
「まさか自分に会う日が来るとは思っていなかった、鏡とは逆だから、まるでドッペルゲンガーだ」
「お前のせいで私は有名人だ、もう隠密活動など不可能だし、行く先々で顔を知られていて、英雄扱いを受けてしまう」
新聞やネットで発表されてしまい、顔が知れ渡ったので、前の任務中だったのも解任され、ロード・エルメロイと共に士郎一行回収と自分回収の任務に就かされていた。
飛行機の中でもサングラスと風邪ひきマスクの下の顔に気付く者がいて、一緒に自撮り要求、サイン要求など乗客一か所集中で騒ぎになり、キャビンアテンダントには感動して泣かれ、機長にも握手されて不要なのにコクピット案内、サングラスもマスクも記念品として乗客に盗まれ、空港に降り立ってしまうとさらに大騒ぎ、胴上げまでされてしまった英雄じゃ無い方のバゼット。
着た切りスズメで同じ服装もクローゼットに何着も並び、スーツと手袋と髪形でバレたのには気付いていなかった。
もちろん同行していたロード・エルメロイ達からは「他人の振り」で通されてしまった気の毒な子。
二人の見分け方としては、揉みくちゃにされてボタンとか飛んでネクタイも手袋も盗まれ、ボロボロの方がこの世界のバゼット、珍しくアイロンが効いたシャツとネクタイもして、きちんとしているのが異世界のバゼットだった。
桜人形が暇なので士郎の女房気取りで炊事洗濯もして、客の衣服のアイロンがけまでしてワイシャツの首の汚れまで士郎と一緒にお洗濯、台所でも一緒にお料理、アンジェリカ、凜、ルヴィア、バゼットにはできない芸当だった。
「私は整形する、髪形も変えてロン毛、ヒラヒラのピンクでレースのワンピースを制服にする」
「うっ、それだけはやめてくれ、まだ海兵隊カットで、アウトドアの服装か、作業服でも着られる方がマシだ」
ベリーショートでカーキ色かオリーブドラブのTシャツが似合いそうな軍人女とか、ムキムキでガテン系の女の方が似合い、ヒラヒラのピンクだけは勘弁してほしかったバゼット。
「サイズも同じだろうからノーメックス製(防炎)防弾スーツも全部お前にやる、使い慣れた隠し武器の場所も同じなのだろう、私はヒラヒラのロリータファッションでやり直す」
「ぐああっ」
自分がかつらでも着けてロン毛で、地毛も伸ばして金髪にでも染めて、ロリータファッションに身を包み、上げ底の真っ赤な可愛らしい靴でも履いて街中を歩く姿を想像し、余りのイタさに苦痛の声を出してしまうバゼット。どんな拷問よりも効いた。
「この世界のリンとルヴィアが存在するのは確認されている、私と同じで大騒ぎだ、もう普通の生活などできん。先に見つけたので保護しているが、求
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