カレー教徒
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ェリカに連れ出して貰って、もう戻らないようにしようと心掛けた。
「おい、お前も異世界に来るか? ほとぼりが冷めるまで私の所でも、普通のホテルでも、敵以外追いかけてくる奴はいないぞ」
「ほ、本当かっ?」
この世界のバゼットも、今の状況は懲り懲りだったので、渡りに船でバゼットの言葉に乗った。
目で語るとロード・エルメロイも頷いて休暇や避難を許可してくれたので、一時異世界に逃げるつもりになった。
やがて、クロエ達が悪魔の笑顔で客人にカレーを運んで来た。
敬虔なカレー教徒になっていたバゼットも、異世界のバゼットも、日本製の市販のルーで作ったカレーを食べさせてもらった覚えがあるロード・エルメロイも、その魔性の匂いし陥落した。
「これは、食べられるのか?」
アジア風の米の飯の隣に、何やら茶色い液体とか野菜がゴロゴロしている食物。
毎日がフィッシュアンドチップスでも困らないバゼットは、インドでの任務以外では、ドイツのソーセージにカレー粉をかけて食べるブリトーだとか、そのぐらいしか知識が無かった。
「試してみるがいい」
異世界の英雄バゼットも、クロエと同じ黒い笑顔で微笑んだ。
「なんちゅうもんを、なんちゅうもんを食べさせてくれたんや、シローはん」
なぜか関西弁のロード・エルメロイ。英国風カレーとか、英国風プディング、フィッシュアンドチップスがゴミにしか思えなくなった。
「うがあああっ!」
口からビームを吐いたこの世界のバゼットも、味皇様みたいに巨大化して大阪城かポートタワーでも着込んで、何かあらぬことを口走りながら走る羽目になった。
付け合わせのサラダとか野菜、市販のドレッシングやマヨネーズまで美味しく、英国の食糧事情のひどさにも絶望した。
「嘘だっ、この国は恵まれ過ぎている、何故野菜やマヨネーズまで味が違う? 英国は神に呪われているっ! ブラッディメアリーの呪いだっ!」
何かを悟ってしまったこの世界のバゼットは、数週間前の英雄バゼットと同じセリフを言った。
「う〜ん、こりゃ、英国行きはキャンセルかな?」
クロエの言葉に、何も言い返せない一同。
「シェフを雇います、日本からもフランス、イタリアからも。今までのは解雇して心を入れ替えます」
ロード・エルメロイからも提案があり、今までのアホは全員クビ、食材も大陸から仕入れると言われた。
「アハハ、お兄ちゃんが調理係の方が繁盛しそうね」
「なん、だと?」
そこで士郎が全力で食い付いて来た。厨房を任される。もうそれは夢のような男の天国で、魔術方面はもう懲り懲りの士郎も、学食に青春の涙と汗を捧げられるなら本望だった。
料理好き男は、まずカレーとかシチューで目覚め、ビーフシチューとか、果てはボルシチまで手を出して、真っ赤になる野菜を仕入れて煮込む、煮込
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