カレー教徒
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婚や養子縁組要請が絶えない。どうだ、お前も結婚してみるか? 良家の子息とかより取りみどりだ」
現在同じ被害にあっている、この世界のバゼット。魔術系の家の子息から言い寄られ、「同じ遺伝子で同じ顔なので同一人物と同じ、双子と一緒」なので、見合いとか婚約要請が大量。たまに「ジャパン、英雄バゼット様」で到着してしまう手紙があり、郵便局のオジサン所有の個人住居情報のビッグデータにも驚かされたが、順調に求婚や養子、契約の依頼が舞い込んでいるので、連絡先が知れている魔術協会あてに届く方は膨大な数になっていた。
「い、嫌だっ」
家事一切不可、台所仕事不能、他の能力の代わりに女らしい一切の作業ができないバゼットは、結婚とかしたくなかった。
さらにシローには胃袋を掴まれてしまっているので逃げられない。
もし嫁ぐなら、同じ英雄であるシローで、炊事洗濯を任せて自分が働きに出るのなら、結婚もアリだと思い始めていた。
「下らん作業など召使に任せれば良いのだ、男もシロー・エミヤのように家事が上手で、戦闘など向いていない男も沢山いる、好きなのから選べ」
この世界のバゼットは、自分宛てに来てしまった求婚要請を、全部バゼットに渡した。
「うわああっ」
キモいオッサンから二枚目、ガリガリのもやしからムキムキのオッサン、中東ではハンサム過ぎて入国を断られるような優男まで満載の結婚要請が、袋から次から次へと山のように出て来た。
「うむ、やはりこのような物は本人が一番良い、偽物は退散するとしよう」
「待て、これはお前宛てだ、私ではないぞ…… まさか?」
この世界のバゼットは、悪魔的な表情で笑った。
「もちろん、この中の全員に本物の居場所を教えた」
「うそ〜〜〜〜ん」
バゼットは直ちに逃げる用意をして荷物を纏め、2階の窓から逃げようとしたが手遅れだった。
「バゼット様、我が愛しい天使よ」
「私と結婚してください」
「貴方はなぜバゼット様なのですか?」
路地裏にまでビッシリと男どもが並び、ルヴィア狙いの金髪巨乳好き、凜狙いの貧乳脚細好き、イリヤ狙いのロリコン、クロエ好きの肌フェチ、美遊狙いの市松人形好き、人形で良いからとアンジェリカや桜人形狙いの男までプラカードを上げて殺到していた。
「しまったっ」
先程、アインツベルンが追い払われる時に銃撃戦もあり、一瞬だけ包囲網が解かれていたが、その潮時に逃げなかった自分を責めるバゼットだった。
(もう異世界に逃げるしかない)
窓枠にしがみついたり、屋敷内に侵入しようとすると、英国側の兵士がカラシニコフの7.6ミリ*39弾で射殺するのか、唯一この土地の中だけがセイフティゾーンなのを知って絶望する。
後で人形を持って、間桐のジジイや雁夜か慎二の偽物も作って銀行に行くと言われていたので、その時にアンジ
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