197部分:聖杖その二
[2/2]
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
あミレトスへ向かいましょう。ユリウス皇子こそロプト教団を操りこの世を支配せんとする暗黒神の化身、彼を討ち滅ぼさない限り世界に光は訪れません」
セリスはその言葉に頷いた。
「よし皆ミレトスへ行こう。そしてユリウス皇子を倒し暗黒神を滅ぼすんだ!」
「ハッ!」
一同敬礼した。そしてただちに全軍をもって暗黒教団の者達が守るゴート砦へ向かった。
ミレトス南の山脈には峡谷がある。その幅は狭く、またクロノス、ラドスからミレトスへ向かう唯一の路である為その戦略的意義は大きかった。だがミレトス地方は自由都市群であった為大規模な軍隊を持つ都市も無く小さな関所が置かれているだけだった。ここに砦を築いたのはグランベル帝国であった。
この峡谷にゴート砦を築き直轄地としたのは防衛上の意味合いもあったが経済的意義の方が大きかった。旅人や商人から徴収する通行税は帝国に相当の収入をもたらした。
ユリウス皇子がミレトスに駐屯すると防衛拠点となった。彼が鎮座するミレトスの南方の護りとしてこの砦は不可欠なものであったからだ。だが今ここに暗黒教団の者は誰一人として残ってはいなかった。
「どういう事だ、本当に空城なんて」
スラリとした身体を黄色のシャツとズボンで包んだ男が首を傾げて言った。黒い瞳の若々しく、かつ幼さの残る顔立ちである。長い金髪を後ろで束ねている。腰には剣が下げられている。この男の名をデューという。大陸では知らぬ者の無い大盗賊である。
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ