British Rhapsody 〜赤城〜
Farewell
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理由は分からないが、りんごのマークがついているのがなんだか腹立たしい。なぜか不快感をかき立ててくる。
……それにしてもこの人、なんでお別れ会に遅れたのだろう。手に持ってるそのパソコンが、何か関係しているのだろうか……。
「提督」
「ん?」
「今まで何をしてらしたんですか?」
「あーそうだったそうだった。忘れるところだった」
あなた、何しに来たんですか……。
「ロドニー」
「司令官。あなたにも、世話になっ……」
「そんなことはどうでもよろしいっ」
「?」
ロドニーさんの別れの挨拶を『どうでもよろしい』とは、一体何様ですかあなた……!! と思ったが、よく考えるといつもの調子の提督だ。今更こんなことで怒っても体力が続かない。リラックスリラックス……
「ロドニー、ちょっとそこに座ってて」
「あ、ああ……」
提督はそばにある椅子を呼び指し、ロドニーさんにそこに座るように促す。頭にはてなマークを浮かべながらも素直にその椅子に座るロドニーさんを尻目に……
「大淀、これ立ち上げて、『レター』って動画を再生する準備して」
「はい。かしこまりました」
と大淀さんにパソコンを手渡していた。りんごのマークがよく似合う大淀さんの手によって、パソコンに電源が入った。
その間提督は、食堂のすみっこで埃をかぶっている液晶テレビを運んでいた。そのテレビとパソコンをケーブルでつなぎ、テレビの電源を入れる。
「大淀、画面はクローンでね」
「了解しました」
大淀さんが操作している様子がテレビに写っている。大淀さんが『レター』という動画ファイルを見つけたようだ。
「ロドニー」
「ん?」
「本国からの通達だから、心して見てね?」
「わ、分かった……」
いつになく真剣に、提督がそう告げた。そんな提督の雰囲気に飲まれたのか、ロドニーさんは生唾を飲み込み、テレビの前に座る。
「再生します」
厳かな大淀さんの声が響き、テレビにうつるマウスの矢印が動画ファイルを再生させた。大淀さんが画面一杯に動画を映し出す。提督が腕を組み、難しい表情でそれを眺めた。
――……
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