British Rhapsody 〜赤城〜
Farewell
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ん!!」
「どうするったって……」
「やべえよ! しょうけらだよこいつ!! のぞいたりのぞかれたりするんだよ!!」
「コワッ……イガァアアッ!!??」
「もしくはぬらりひょんだよ!! どうしよう姐さん!? 上から目線で説教されちまう!?」
「お、落ち着くのですですですてんてん天龍さんさんさん」
「お前も落ち着けイナズマ……」
「おぉぉおぉおぉおおおおおお恐ろしいのですしゅうせきせきせき……」
「うわぁあああ!! 鎮守府崩壊だ!! この世の終わりだぁあッ!? お帰り下さいませご主人様お帰り下さいませご主人様……」
「コワイカコワイカコワイカコワイカコワイカ……」
完全にパニックになってるヘタレ親分とダメ子分、そして電さんは置いておいて……私は改めて写真に写るその正体不明の被写体を、じっと確認してみる。ピンぼけしているとはいえ……かろうじて確認出来る、この眼差しから漂う死臭は……
「大淀さん」
「はい?」
「これって……」
私は大淀さんを呼び、彼女にその正体不明の被写体を見てもらった。恐らくは、彼女なら見破れる。私の予想が間違ってなければ……
「これは……提督ですね」
「「ぇええッ!!!?」」
皆が一同に叫び声を上げ、食堂入り口を振り返る。みんなの視線のその先には……。
「ったく、入り辛い雰囲気を作るんじゃないよ……」
右手にノートパソコンを持った、死んだ魚の眼差しを持つ男。我らが提督が立っていた。
やはりそうだった。きっと提督は、シャッターを切る寸前にこの食堂に入室したのだ。そして入室した途端シャッターが切られ、ピントが合わない状態で写真に写り込んでしまったのだろう。
提督としてはそのまま入室してくるつもりが、ダメ親分とヘタレ子分がやたら大騒ぎするものだから、なんだか入室しづらくなった……というのが真相だと私は踏んだ。
「やっぱり……」
「大淀さん、さすがですね」
「ええ、まぁ……」
でも、私がこの真相にたどり着いたのは、ひとえに大淀さんの眼力のおかげだ。私は大淀さんに感謝の言葉を述べた。あなたがいなければ、この事件の真相には辿りつけませんでした。ありがとう。
「いやー、さすが任務娘ですね。ニヤニヤ」
「い、いやあのッ!?」
「然るべき日は呼んでくれ。本国からかけつける。ニヤニヤ」
「〜〜〜〜〜ッ!?」
お礼に、彼女をいじり倒すことも忘れない。ロドニーさんも参戦したが、今日で最後だ。別に構わない。大淀さんも大目に見てくれるはずだ。
私達が見守る中、提督は死んだ魚の眼差しのままへこへこと食堂に入ってきて、椅子を一脚出してそれに腰掛けた。ふうっとため息をつき、相変わらずの死んだ魚の眼差しで私たちを眺める。膝の上にはノートパソコン。
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