British Rhapsody 〜赤城〜
Farewell
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娘になる」
「そうでしょうか?」
「ああ。……上官に対しても、しっかりと怒りを表現出来るお前だ。きっとな」
続いてロドニーさんは、大淀さんの元に行ってこんなことを言っていた。ロドニーさんはきっと、私たちの初対面のことを言っているのだ。提督に乱暴を働いたクソ中将に対し、大淀さんはキーボードを機関銃のように叩いて不快感を表現していた。『止めろ』という怒号に対し、『これが私の仕事です』と、一歩も退かずに毅然と答えていた。
きっとロドニーさんは、その時のことを覚えていたのだ。彼女の目から見た大淀さんはきっと、仲間思いで、強い艦娘だったに違いない。
「ぁあ、あの時ですか。あれは……」
「愛する男を目の前で殴られれば、そら黙ってはいられないよな」
「ええ。ですから中将に……って、何言わせるんですか!?」
「ニヤニヤ」
最後には、きちんと大淀さんをいじることを忘れずに。こうやって見ていると、ロドニーさんは、本当に私達の鎮守府に打ち解けたんだなぁと、じんわりとした感動が胸に広がった。
「はいロドニーさん! 恐縮です!! 笑って下さい!!」
大淀さんをいじったロドニーさんの周囲で、青葉さんがフラッシュをうるさく焚いてバシャバシャとシャッターを切っている。
「アオバ。お前は永田町での私のことを見てたのだろう?」
「恐縮です。永田町でのロドニーさん、怖かったですねー……誰とも仲良くせず、いつも鎧着て剣を持って、いつもいつもピリピリしてて」
「確かにそうだったな……」
青葉さんは、提督の密命を受けて、一時期永田町鎮守府に潜伏していた。その時に彼女は、ロドニーさんの様子もしっかりと観察していたはずだ。当時ロドニーさんは、私達から見た時の最重要警戒人物。提督と青葉さんが目を光らせないはずがない。
「でも、こっちに来てからのロドニーさんを見て、逆にあの頃のロドニーさんが不憫になりました。こっちに来てからのロドニーさんは、毎日がすごく楽しそうで」
「う……や、やめろ恥ずかしい……」
「上機嫌で、のどかに毎日過ごしてましたもんね」
「やめろぉお!?」
珍しい……ロドニーさんの顔が真っ赤っかだ。そらぁいつもキリッてしてツンツーンてしてるつもりの自分が、まさか他人から見たらにっこにこの上機嫌だっただなんて、本人からしてみれば恥ずかしいことこの上ない。
「だから青葉は思うんです。ロドニーさんにはきっと、この鎮守府に来ることが必要だったんです。この鎮守府に来て、永田町でこびりついちゃったツンツンの仮面を取っちゃうことが、きっと必要だったんですよ」
「……そうか」
「こっちに来てからのロドニーさん、いい笑顔でしたよ? 写真、何枚でも撮りたくなっちゃいます!!」
「そ、それはよせ……」
「恐縮です!
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