第7章 聖戦
第162話 バトル・オブ・ガリア
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んですね?」
普通の戦争だと考えると不可能に近い事を平気で問い掛ける俺。
もっとも、こう考えたとしても不思議でも何でもない状況なのは間違いない。
何故ならば、開戦から一カ月半。未だゲルマニアからの侵攻が行われているようだから。
しかし、俺の施した策。物理反射や金行の無効化などが破られる……ドコロか、未だその金行を主体とした近代兵器を先頭に押し立ててゲルマニアは攻めて来ている。
これは余程の無能でなければ、攻め込んだ連中の中に逃げ帰った兵が居たのなら、そいつ等からの証言を聞いたはず。その中に、最前線で戦って居た連中が逃げ帰って居たとすると、そいつ等の口から此方の手の内が漏れている可能性がある。
しかし、先ほど見た映像から推測すると、ゲルマニアが未だ金属製の武器でのみ戦争を仕掛けて来ているのは間違いないので……。
俺の問いに対して、まるで彼女の父親がそうするように鷹揚に首肯くイザベラ。
そして、
「ガリアに対する聖戦が発動されたのは事実だけど、本格的な侵攻が行われた訳ではないからね」
暗殺者を送り込んで来たり、ガリア国内の不満分子を焚き付けたりと、狡すっからい事は色々とやって来たけど、少なくとも、陸上部隊が攻め寄せて来たのは最初の一度。オルレアン大公家の所領に対して数十両の戦車と、それに続く数千規模の歩兵が侵攻して来ただけさ。
……と答えた。
う〜む、ゲルマニアの方に何か思惑があるのかも知れないが、それでは余りにも数が少な過ぎるな。
確か前世では、聖戦が開始される以前にも三万の兵を侵攻させて来た挙句に、……国境の関所を難なく破った迄は良かったのだが、進軍中の国境の森の中で正体不明の魔物。実は俺の式神、ソロモン七十二の魔将たちの襲撃を受け、散々迷った挙句に指揮官クラスを失い右往左往。其処に待ち受けていたマジャール侯爵率いる地上部隊にコテンパンにのされ、国境は既に遠い位置だった為に、大半の兵が捕虜となり、エルフとの国境付近に作られた開拓村に送り込まれる、と言う結果に終わった事がある。
尚、その結果をアルブレヒトは一部の暴走した貴族が勝手に行った事だと言って、その参戦した(つまり、作戦に失敗した)貴族共を処罰した後に、その際に没収した財貨からガリアに賠償金を払っただけで、捕虜たちの返還交渉には応じる事もなく、結果、国内の不満は溜まり、キュルケがリュティスの魔法学院に留学して来て俺と接触するに至る、と言う歴史が作られたはず。
そもそも、ゲルマニアの場合、北に向かっての国の広さが尋常ではない。正直、北極圏までそうだ、と言われても不思議でもない国家故に、はっきりとした総人口が分からないので、兵の最大増員数が読めないのが実情。
まして、中世ヨーロッパの……と言うか、ハルケギニア貴族のメンタリティ
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