第7章 聖戦
第162話 バトル・オブ・ガリア
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・オブ・ガリアの映像は終わった。おそらく、ガリア側の被害はゼロ。そもそも、金属製以外の武器がゲルマニアの航空機に装備されている訳はなく、機体もすべて金属製。故に、仮に飛竜と接触したとしても壊れるのはゲルマニアの航空機の方だけ。
これでは初めから勝負になる訳もなく、少し危険だと思われる場面はすべてマジャール侯とその娘のみに任せると言う徹底ぶり。
尚、最後の一機まで確実に撃墜した理由は、此方の陣容――特に攻撃の反射や無効化の魔法が在る事をゲルマニアの指導者層に報せない為。おそらく、ゲルマニアの方は無線すら使用不能の状態に追い込まれていたと思う。
電波と雖も、それはつまり雷の気。ならば、場の木行を完全に支配して仕舞えば敵の無線も、レーダーも簡単に無効化して仕舞える。
そう、こちらの情報は徹底的に秘匿して、相手の戦力は白日の元に晒して置く。少なくとも、種の知れた手品状態にはして置く。これは俺の依頼で、マジャールの飛竜騎士たちはそれを正確に実行しただけ。
つまり、これは彼らが血に酔った訳ではなく、最初からそう言う作戦だったと言う事。
成るほど、これではダンダリオンが言うように、来た、見た、勝ったの三言ですべてが終わる。リュティスの七面鳥撃ちとでも言うべき結果だと思う。多分、地上の方には墜ちて来たゲルマニアの航空機の残骸や、パイロットの回収をする歩兵部隊が展開しているとも思うので、もしも生き残ったゲルマニアのパイロットが居たとしても、此方の情報がゲルマニア側に漏れる心配はない……はず。
少なくとも、開戦前に俺が描いた青写真。敵を招き寄せてガリアの国内で叩く。そして、出来るだけ敵兵を逃がさない。この目標通りに彼らが行動したのは間違いない。
そう考えながら、繋がれていたダンダリオンの手を離し、元の位置に座り直す俺。
ただ……。
「敵兵を死なせた事は仕方がないだろう」
此方に落ち度はなかったんだからね。
確かに落ち度はなかった。二十ミリを反射されて死亡した戦闘機のパイロットは自業自得だと思う。それに、爆撃機に乗っていた連中だって、奴らの任務を考えると反撃され殺されても仕方がない、と考えるべき。
そもそも自らの魔法の能力に慢心してパラシュートを準備していない奴らの方が悪い。
そう思い込む事は可能……なのだが。
俺の表情や発して居る雰囲気から、俺自身が完全に納得している訳ではない。そう感じたらしいイザベラの言葉。
確かに、完全に納得した訳ではない。しかし、少なくとも現場に居なかった人間が、後から何かを言う資格はないとも同時に考えているのも事実。
それに――
「この結果を見ると、開戦からコッチ、少なくともゲルマニアから侵攻して来た兵力はすべて倒す、もしくは捕虜にした。そう考えて間違いない
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