第7章 聖戦
第162話 バトル・オブ・ガリア
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行われた場所は風の精霊に溢れた場所なのだが、しかし、其処はガリアの国内。
成るほど、ここにも他人の領地に土足で踏み込んで来て、問題なく自らの魔法を発動させられる……と考えているマヌケが居た、と言う事か。
確かに今回の場合、俺やタバサが直接、その場に居なかったが、しかし、其処にはマジャール侯カルマーンと、その娘アリアがいた。そして、この二人は間違いなく精霊魔法の使い手。この二人が居ると言う事は、その気になれば系統魔法使いの魔法を発動させなくする事など朝飯前のはず。
もしアリアが、俺が良く知っている前世のアリアと同じ存在ならば、彼女の魔法の才は風水や卜占。時間や空間に作用する仙術を得意としていた術者であった。そんな人間が待ち構えている所に、のこのこと大した準備もせずにやって来たゲルマニアの航空隊の運命は……。
航空隊の半数以上をアッと言う間に撃墜され、事ここに至って自らが相手にしている敵が尋常ならざる相手だと気付いたゲルマニアのリュティス爆撃部隊。もっとも、既に当初の半数程度に機体が減っていたので……。
明らかに鈍重な……と表現される回避運動を行いながら大きな半径を描くゲルマニア航空機群。
しかし――
しかし、その円を描く先に待ち受ける無数の黒い影。
俺の瞳に最初からしっかりと映っているその黒い影の存在に、何故か気付きもしないゲルマニアの連中。
【このハルケギニア世界には何故か幻術系の術がないので、こう言う小細工はこれまで百パーセント成功しているのです】
例えば、前衛の戦車部隊と、補給やその他を担う歩兵の部隊の分断など。
空中戦ではあまり考えられない伏兵により次々と撃墜されて行くゲルマニア航空隊。その理由をこちらから聞く前に説明してくれるダンダリオン。
そう言えばそうだった。前世の経験や、今世で見聞きした事を思い出す俺。
但し、この説明には欠けている部分がある……と思う。それは幻術系の術が、見鬼の才が高い人間には効果が薄いと言う事。
そりゃ、幾ら見た感じで敵がいないように見えていたとしても、見鬼の才と言うのは実際の目に映る物を見るのではなく、本来は見えない物を感じる能力。幻を見せられて、其処が表面上は危険がないように見えたとしても、実際に其処には敵兵が伏せられているのなら、見鬼の能力を持つ者に取ってその場所から危険を感じ取る事はそれほど難しい事ではない。
つまりこの作戦を実行したと言う事は、ゲルマニア航空隊に所属して居る……と言うか、今回のリュティス爆撃の任務に就いたパイロット=ゲルマニアのメイジたちは、見鬼の才に恵まれた奴がいない事が、ダンダリオンには最初から分かっていた可能性が高いと言う事だと思う。
そして、最後の一機が撃墜された瞬間、脳裏に再生され続けて居たバトル
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