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蒼き夢の果てに
第7章 聖戦
第162話 バトル・オブ・ガリア
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裂かれて行くゲルマニアの航空機たち。
 いや、その斬り裂かれた断面をもしもつぶさに確認する事が出来たのなら、その人物はそれが断ち切られたのではなく、一瞬の内に溶かされたのだと気付くはず。
 そう、幾ら彼の二人の武術の技量が高くとも、流石に刃物で斬り裂いた切断面が溶解する事はない。これは仙術。火克金。火は金属を熔かす。
 つまり初歩の火行の仙術を施す事で、金属を泥のように斬り裂く武器を作り出したと言う事。ここまで俺がハルケギニアの騎士たちに施した術は、仙人を目指す駆け出しの道士たちでも使用可能な初歩の初歩。入門編と言うべき術式。
 確かに俺の知らない原理で効果を表わす強化や固定化と言う、ハルケギニア特有の魔法は存在するし、おそらく、機体自体の強化は行われているとも思う。思うのだが、しかし、ハルケギニアの魔法では、その材質を金属から別の物質に変換している訳ではない。

 翼を、胴体を断たれ、次々と撃墜されて行くゲルマニア航空隊。
 ただ――

【なぁ、ダンダリオン。ゲルマニアの連中は、何故、パラシュートを使って脱出を試みないんや?】

 何故か斬り裂かれた機体から逃げ出すパイロットが一人もいない事に疑問を抱く俺。流石に船乗りは船と運命を共にする、……などと言う訳はないと思うし、ましてこいつ等は、生身の人間に対して二十ミリ機関砲で攻撃出来る人間。更に言うと、こいつ等の任務はリュティスの爆撃。つまり、直接戦闘を行っている兵士たちを目標にした訳ではない、無辜(むこ)の民を虐殺しても平気……かどうかは分からないが、それでも命令とあれば殺す事を躊躇なく行える連中。
 こんな連中が自らの機体と運命を共にする、とも思えないのだが。
 確かにあのドイツ製の機体のキャノピーが横開きで脱出し難かった、などと言う話を何処かで聞いた事があるような気もするのですが。
 しかしソレは戦闘機に関してのみ。爆撃機に乗っている連中まで逃げ出さないのはかなり不思議なのですが。

【そんな事も分からないのですか、このノータリン】

 相変わらずシノブは何処か大事な処が抜けているのです。
 何かエラい言われ様なのだが、相変わらず不機嫌……とは言い難いか。気分的には通常運転に戻ったダンダリオン。

【奴らは自らの事を優秀な魔法使い(ハルケギニア的エリート)だと思い込んでいる連中。そもそもそんな連中が、自分の操る機体が撃墜される事など最初から想定していないし、更に言うと、レビテーションの魔法があるから、最初からパラシュートなど必要と考えていなかったのです】

 そう言えば、ハルケギニアの魔法使いの多くは空中浮遊の魔法を使用していたか。ただ、アレを使用する際は、風の精霊たちの断末魔の悲鳴が俺に聞こえる以上、あの魔法は精霊力を浪費する魔法。
 そして、戦闘が
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