第7章 聖戦
第162話 バトル・オブ・ガリア
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半径が一メートルほどあるような円卓の対面側から手を差し出して来る少女。まして腰を浮かせる……などと言う訳でもなく。これではどう考えても卓の真ん中までも手が届いていない状態。
ただ、彼女が何をやりたいのかは何となく分かるのですが……。
「何をぼおっと見ているのですか。さっさと私の手を握りやがれ、このウスノロ、なのです」
大体、シノブが私の話も聞かずにそんな遠い処に座る方が悪いのですよ。
まさかこの状態を予測した上で自らの隣に座れ……などと言った訳はないか。流石に智慧の女神さまでも其処まで先を見通して居たとも思えない。
いくら能力が上がったと言っても、現世で行使出来る能力には限界がある。まして、もしそのレベルにダンダリオンが到達していたのなら、ルルド村の事件解決に赴く前に、危険を報せて来たはず。そう考えて、先の考えを心の中のみであっさり否定。
ただ――
ただ、どう考えてもダンダリオンがこれ以上、手を伸ばして来るとは思えないので。
先ほどから繋がれたままと成っていた湖の乙女の右手を離し、そのまま円卓に左手を突く。これ以上、ウダウダと何か余計な事を言って彼女を怒らせても意味はない。そして、上半身を卓の上に覆い被せるようにしながら、差し出されたダンダリオンの小さな左手を自らの右手で包み込んだ。
一応、立膝状態なので、卓の上に膝を突くような形とは成ってはいないのだが……ただ、矢張り非常に行儀の悪い体勢であるのは間違いない。
その瞬間!
かなり上空から見たと思しき映像が目前……いや、脳裏に浮かぶ。これはおそらく、伝承に語られるデカラビアの鳥の眼と言うヤツだと思う。
伝承によれば、ソロモン七十二の魔将の一柱、魔将デカラビアと言う悪魔は数多の鳥を支配し、その鳥を使って情報収集を行って居たと言う魔物。
もっとも、この映像はどう考えても人工衛星から地上を映した画像だと思うのだが。
その映像の手前の方にゆっくりと動く影。これはかなりの数の航空機……だと思う。少なくとも羽ばたく羽根を持たない、尖がった形の先端を持つ飛行機械群と、その真ん中で守られるように飛ぶ十機程度の双発の飛行機械。
そう考えた瞬間、ズームアップされる映像。その映像の中心に存在して居たのは――
小さな影は日本の三式戦飛燕に似ているような気がするな。大きな方はあまり見た事のない妙な形の翼をして居る。
ただ、どちらにしてもレシプロ機である事は間違いない。
日本の大戦中の戦闘機や爆撃機のフォルムはある程度知っている……心算なのだが、その中にこの双発の爆撃機らしい機体のフォルムを持つ機体は知らない。おそらく、日本以外の国の機体だと思う。
そして多分、三式戦に似たフォルムと言う事は、戦闘機の方は液冷式のエンジン。ただ、米軍のムスタ
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