第7章 聖戦
第162話 バトル・オブ・ガリア
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飛竜騎士団にはアリア……マジャール侯爵の娘シモーヌ・アリア・ロレーヌが居るはず……なので、本来ならそれほど心配する必要もないはずなのだが。彼女はクトゥグアだの、イタクァだのを相手に戦う事が出来た、俺やタバサたちと同様の少しばかり特殊な能力がある人間。
彼女一人……及び、彼女の両親に俺の術が加われば、アニメに登場するような超未来兵器が相手でも七星の太刀で敵を真っ二つにして行けると思うのだが。
魔法で科学を凌駕する。科学は極められた魔法の前では無力である。……と、ハルケギニアの人間にそう思い込ませる。これまでの聖戦の経過に因っては、この大前提すら崩れる可能性もある。そして、もしそうだとすると、その科学を凌駕した魔法の種類や方法を秘匿してガリアには未だ知られていない特別な魔法が存在する。……と他国に警戒させる企ても、もう少し練り直す必要が出て来るのだが。
少なくとも、完全に信用し切る事の出来ない臨時雇いの傭兵の類に、俺の作成した呪符を使わせる訳には行かない。そうすると、近代兵器を投入して来ている可能性の高いゲルマニアとの戦争はかなりの損害を覚悟しなければならなくなる。
眉根を寄せ、かなり難しい顔をしているであろう……と言う自身の顔を想像して仕舞う。
そう、この聖戦を無事に乗り越えられれば、ハルケギニア世界で言うトコロの場違いな工芸品。異世界から流されて来た戦車や零戦をハルケギニアの戦争に使おう、などと考える馬鹿はいなくなる。そう言う方向にこの世界の為政者たちの思考を誘導させる為、ガリアには出来るだけ近代兵器の類を使用させない方向で話を進めて来たのだが……。
可能性としてはそれが裏目に出たと言う事なのか。
こんな事になるのなら、火石・風石を使用した兵器をもっと前面に押し出した方が良かったのかも、などと少々、物騒な事を考え始めながら。
ガリアのアカデミーで開発されたアレは俺の仙術ならば無効化は簡単なのだが、このハルケギニアの魔法では、例えエルフの反射などを使用されても無効化する事は出来ない、非常に危険な攻撃力を有する兵器。言うなれば地球世界の核に相当する兵器だと思う。故に、人間相手の戦争へと簡単に投入する訳には行かないと考えて居たのだが……。
しかし――
「そんな心配など無用なのです」
そもそもイザベラの語彙では説明が難しい戦闘になった、と言うだけの事なのです。
少し煮詰まり気味の俺に対して卓の上に置かれた湯呑みに手を伸ばしながら、やや呑気な口調でそう話し掛けて来るダンダリオン。何と言うか、これは非常に面倒臭げな雰囲気。
そして、
「端的に言って仕舞えば、来た、見た、勝ったの三言で十分なのです」
そう言ってから、何故か俺の方に向けて左手を伸ばして来る彼女。
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