ガンダムW
1614話
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あくま……赤い悪魔ではなく、あかいあくまと呼ばれる存在がそこにはいた。
ここで何かを言えば、確実に被害を受ける事になる。
それが分かっているからこそ、デュオはここで何も言う事は出来ない。
だが、何も言わない事により、余計に凛の口元に浮かんでいる笑みは強くなっていく。
「あ、い、いや。何でもない。気にするなって。ほら、ちょっと口が滑っただけだから」
「あら、口が滑ったという事は、当然ながら普段からそう思ってたからでしょう? なら、余計に聞かせて欲しいわね」
満面の笑みを浮かべている凛だったが、相変わらずその人差し指はデュオに向いている。
その人差し指がどのような意味を持っているのかは分からないデュオだったが、それでも何かあるというのは分かっているのだろう。
何とか話を誤魔化そうとするが、その度に凛が逃げ道を塞いでいく。
それどころか、綾子とサリィがそっと立ち上がってデュオの両隣に腰を下ろす。
……完全に逃げられなくなったデュオが視線で助けを求めてくるが、俺だって今の凛や綾子に逆らうような真似はしたくない。
そんな真似をすれば、色々な意味で後悔する事になるだろう。
勿論純粋な戦闘力という意味では、凛や綾子と俺はかなりの力量差がある。
だが……女に年齢についての話をして怒らせてしまった場合、容易にその差が引っ繰り返されるような気がするのは、俺だけじゃない筈だ。
それこそ体重とかその辺の話をした時と同様に。
だが、幸いと言うべきかそんなデュオは神に見捨てられてはいなかったらしい。
『アクセル代表、そろそろ目的の基地に到着します』
MS輸送機の操縦室から、そんな通信が入ったのだ。
それを聞いて、何とか誤魔化せた……と安堵の息を吐くデュオ。
だが……
「デュオ、この件は着陸してからゆっくりとお話ししましょうね?」
満面の笑みを浮かべた凛に、念を押すように告げられるのだった。
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