第四十三話 あえてその場所にその八
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「栄養バランスも考えられていて」
「それは療養所だからね」
「当然よね」
「ええ、それでよね」
「しっかりしてるから」
「病院の御飯と一緒ね」
栄養バランスについて充分以上に考えられていることはだ。
「それは」
「そう、だからね」
「そちらのこともよくて」
「美味しいのよ」
「それは何よりね」
「今日のメニューは御飯に」
見れば和食だった。
「おかずは卵焼きに納豆、野菜のお浸しに若布とお豆腐のお味噌汁それに梅干しね」
「梅干しもあるのね」
「姉さん梅干しも好きよね」
「お酒の肴にもね」
夏だけでなく、というのだ。
「好きよ」
「そうよね、じゃあね」
「梅干しもね」
「食べましょう」
「梅を食べると」
優子は好物のそれの話を自分からもした、食堂はセルフサービスなので自分達でプラスチックの盆の上に料理を置いていっていている。
「すっきりするから」
「だからよね」
「好きよ、じゃあ朝御飯を食べて歯も磨いて」
「それからね」
「じっくりとお話をしましょう」
「これからのことを」
「龍馬君と一緒にね」
「龍馬は」
彼の名前が出てだ、優花は食堂の中を見回した。しかし彼の姿はなかった。
「いないのね」
「そうね、まだ寝てるみたいね」
「龍馬はそんなに寝起き悪くないけれど」
そして朝弱いタイプでもない。
「今日はどうしたのかしら」
「まあ龍馬君はすぐに来るわ」
優子は安心していた。
「だからまずはね」
「私達は」
「先に用意しておきましょう」
朝食のそれをというのだ。
「そうしておきましょう」
「それがいいわね」
「そう、待っていたらすぐに来るわよ」
龍馬ならというのだ。
「だからね」
「それじゃあ」
「そう、先に食べていましょう」
「わかったわ」
優花は姉の言葉に頷いた、そして実際にだった。
二人は盆の上に料理と箸を置いてだった、それから空いているテーブルの席に座って頂きますをした。そうして食べはじめたが。
優子は味噌汁を飲んでだ、こう言った。
「優花の言う通りね」
「美味しいよね」
「ええ」
にこりと笑って言った。
「これはね」
「そうなの、味付けも火の入れ方もね」
「どちらもよね」
「よくて」
それでというのだ。
「私も好きなの」
「卵焼きも」
優子は今度は卵焼きを食べたがこちらもだった。
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