第四十三話 あえてその場所にその七
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「ゆっくり入ってから寝たらいいよ」
「そのお部屋の中で、ですね」
「休んでね、トイレの場所も紹介するよ」
そちらもというのだ。
「今からね」
「お願いします」
龍馬は岡島の言葉に頷いてだった、彼は優子と共に岡島にそれぞれの部屋とトイレの場所を案内してもらった、そうしてこの日は二人共休むことになったが。
龍馬は寝る前にだ、優花のところに来て彼女に微笑んで話した。
「安心しろよ、どんな奴が相手でもね」
「龍馬と姉さんが来てくれたから」
「俺達が絶対に守るからな」
優花にこれ以上はないまでに強い声で告げた。
「今日もよく寝ろ、悪党共は叩き潰してやる」
「そうね、龍馬と姉さんがいたら」
「そんな奴等の好きにはさせないさ、頼ってくれ」
「そうしていいのね」
「ああ、御前には本当にずっと助けてもらってたんだ」
困った時は常にだった、龍馬は優花に助けられてきた。いつも何かあれば傍にいてくれた心からの親友だ。
だからだ、龍馬もこう言ったのだ。
「これ位は当然だよ」
「それでなんだね」
「頼ってくれ、今度はな」
「じゃあ」
「ああ、俺達は絶対に御前を守る」
このことを誓った、優花自身にも。
「一緒にいるからな」
「有り難う」
「お礼の言葉はいいさ、じゃあな」
「今日はもうこれで寝て」
「明日からな」
「うん、またお願いね」
「大丈夫だと思うけれど戸締りは忘れるなよ」
龍馬は優花にこう忠告した。
「忍び込んできたりとかな」
「そうしたこともなのね」
「ああ、用心してな」
念の為にというのだ。
「寝ろよ」
「そうするわね」
優花も龍馬の言葉に頷いてだ、彼と別れた後は実際に窓の戸締りをしてだった。そのうえでこの日は寝た。
そしてだ、その次の日の朝だった。起きて食堂に行くと。
もう優子がいた、優子はすっきりとした顔で優花に微笑んで朝の挨拶をしてきた。
「おはよう」
「ええ、おはよう。昨日は飲んだのよね」
「ウイスキー一本開けたわ」
「そうよね」
「それでお風呂に入ってね」
「すっきりしてきたのね」
「この通りね、気持ちよかったわ」
朝の入浴、それがというのだ。
「お陰で身体も心もね」
「すっきりして」
「そしてここにいるのよ」
「そうなのね、じゃあ今から」
「朝御飯食べましょう」
「一緒にね」
「こうして一緒に食べる御飯は」
優子は微笑みつつだ、妹に話した。
「いいわね」
「そうよね、ここの御飯美味しいから」
「そうなの」
「ええ、凄くね」
優花は微笑んで姉に話した。
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