第四十三話 あえてその場所にその六
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「もう警察にも通報してるから」
「だからですね」
「それもあるしね」
「これからのことで」
「手も打つから」
だからだというのだ。
「他の手もね」
「けれど、ですね」
「うん、君達の力も借りたいんだ」
龍馬、そして優子への言葉である。
「それじゃあ今日はじっくりと寝てね」
「わかったわ、それじゃあ今から」
優子は微笑んでだ、そのうえで。
ポケットからウイスキーのボトルを出してだ、岡島に言った。
「飲むわ」
「ここでかい?」
「療養所だから駄目かしら」
「それはお部屋によるよ」
「休憩するお部屋ならいいのね」
「うん、ただ持って来ていたんだ」
「そうよ、じゃあ飲んでもいいなら」
優子は笑ってだ、岡島に応えた。
「飲ませてもらうわね、ナッツも持って来てるし」
「それを肴にだね」
「飲むわ、今からね」
「それ一本開けるね」
「いつも通りね」
「相変わらず好きだね、お酒が」
「大好きよ、明日からに備えてよく寝る為にも」
まだ栓を開けていないが飲む準備をはじめつつの言葉だ。
「飲むわ」
「じゃあね、僕は今日は家に帰るから」
「それで休むのね」
「うん、後は君達も休んでね」
「それじゃあね」
「俺も休んでいいんですね」
龍馬は岡島にこのことを確認した。
「今日は」
「というか是非ね」
「休まないとですか」
「いけないよ」
絶対にという言葉だった。
「睡眠は最高の薬だからね」
「だからですか」
「そう、ゆっくりと休んでね」
そしてというのだ。
「明日からに備えて欲しいんだ」
「明日からが本当に大変なんですね」
「そうなるからね、絶対に」
岡島は龍馬に温和だが真剣な表情で答えた。
「夜はゆっくりと休んでね」
「今夜も」
「そうしてね、いいね」
「わかりました」
龍馬は岡島の言葉に頷いた、そのうえで優花に顔を向けて微笑んで言った。
「じゃあ俺も寝るな」
「うん、じゃあね」
「風呂に入ってからな」
「お風呂まだだったの」
「それどころじゃなかったんだよ」
「長崎まで急いで来たから」
「ああ、それでな」
正直身体を清めるどころではなかった、部活を途中で抜けて家に全速力で帰って着替えて荷物だけ持ってそのうえで電車に飛び乗ったのだ、その間考えることは優花のことだけだった。
「今やっと色々考えられる様にもなってきたよ」
「そうした状況であれこれ話しても仕方ないからね」
岡島は龍馬にこのことも話した。
「じゃあね」
「はい、今日は風呂に入って休みます」
「二人にそれぞれお部屋に案内するから」
「そしてその部屋で、ですね」
「休んでね、いいね」
「わかりました」
「部屋には浴室もあるから」
岡島はこのことも話し
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