191部分:光を奪われてその四
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るナーガとロプトゥスの戦いにある通り闇の力は光の力に弱い。奴等はユリアのその力を恐れたのだ」
「けどユリアはただのシャーマンだよ。確かに光の魔法にかけては他の者なんて足下にも及ばないけれど。しかしナーガみたいな神器が使えるわけじゃない。それが何故・・・・・・」
「いずれわかる。彼女の秘められた力が」
「力・・・・・・!?」
「いや、何でもない」
その時大広間に若い騎士が駆け込んで来た。肩で息をしつつ敬礼した。
「どうした、また来たのか!?」
騎士の様子に不吉なものを悟った。オイフェが問うた。
「ペルルーク南西の森に暗黒教団と思われる一軍が展開中、その数二万です」
「二万!?」
一同その数に戸惑った。予想していたよりも遥かに少なかったからだ。
「人の数こそ二万ですが・・・・・・。バレンシアから召還したと思われるゾンビやガーゴイル、スケルトンといったあやかしの者達も多数おりその数を入れますと三十万程になります!」
「バレンシアから・・・・・・!奴等異形の者まで使っているのか!」
ホメロスが叫ぶ様に声を出した。
「それだけではありません、クロノス方面から暗黒教団から逃れたと思われる子供達の一団がこちらに向かって来ております、このままでは森の敵軍と鉢合わせです!」
「くっ・・・・・・」
「セリスよ、ここは止まっている時ではない。すぐに子供達を救いに行くべきだ」
シャナンが戸惑いを見せたセリスに対して言った。セリスはその言葉に普段の冷静さを取り戻した。
「おそらく追っ手がすぐにでも来る筈だ、時間は少ないぞ」
「そうだね、すぐに行こう」
セリスは頷いた。
「では行きましょう、ユリアの事は心配いりません。あの娘はあれで強い娘、そう易々と奴等の毒牙にはかかりません」
ミーシャが言った。セリスはその言葉に再び頷いた。
「行こう、そして子供達を救おう!」
軍が動いた。それは新たなる戦雲の序曲であった。
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