第百二十五話
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ョップの店長ということか、その情報はとても詳しい上に分かりやすく――俺たちを戦慄させるに相応しかった。
新生アインクラッド第二十四層、湖上都市《パナレーゼ》。層全体が湖に覆われており、主街区を中心にいくつもの小島に橋が掛けられている。湖の見事な景観もあって人気が高い層でもあり、翼を駆使しなくてはたどり着けない隠し島なども、ALOにリメイクするにあたって準備されていた。
いつぞやの水泳授業もこの層でやるかと考えられていたものの、当時はこの層が攻略の最先端であったため、人目につくということで却下されていた。それほどまでに湖が多いということで、やはりかウンディーネの姿が他の層より目立つ。水中適応を与える魔法を使っての湖の探索ツアーなど、商魂たくましい者もチラチラと見えていた。
しかし、今のこの層は、湖とは別の意味で有名な存在となっていた。かつての伝説のプレイヤー――《絶剣》の終焉の地として。
「っ……」
あの浮遊城の頃から気持ちのいいものではない転移の感覚と、全身に伝わる疲労感によって猛烈な吐き気に襲われるものの、リズの隣だということでなんとか平静を保つ。
「リズ、大丈夫か」
「……なんとか、ね」
しかして遅れて転移してきたリズは、隠しきれないほどに疲労の色が強く、そう声をかけざるを得なかった。せっかく新調したコートはすっかりくたびれており、またアシュレイさんのお世話になることになりそうだ。
「恐竜タイプのモンスターの胃袋に入って目的地まで行くのは、流石に心臓にキツいものがあるな……」
「……あたしは、その胃袋でスライム型が無限湧きするなんて聞いてなかったわよ」
「いざ目的地にたどり着いたら、草木一本生えてない不毛の地だとはまさか」
「敵のメイジの水魔法で地下に生えてる植物に水をやるなんて、情報もらってなくちゃ出来なかったわね」
「ランダムでソルジャーネペントが現れる仕様だったけどな」
「やけに強かったわね、あの植物……でも!」
二人の口から際限なく出て来る、今まで進行していたクエストへの愚痴。あの花屋を営んでいるプーカの店長から情報を貰った俺たちは、喜び勇んでそのエリアに行ったものの、色々と散々な目に遭っていた。どうやら新生ALOになるにあたって、浮遊城に追加された高難度クエストだったらしい。
「こんだけ冒険して手に入れた奴なんだから、ユウキだって文句ないでしょ!」
「そのクエストに連れて行かなかったことには、文句は言われそうだけどな」
確かにね――と微笑むリズの手元には、淡いピンク色の花束が握られていた。情報を提供してくれたプーカの店長が、適当なことを言っていた訳ではなく――何度かその可能性を疑ったが――クエストの成果として、俺たちは花
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