お節もいいけどカレーもね?・その2
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ほほぅ、味付けも中々本格的じゃないか。画面内の時雨はトマト缶をミキサーにかけて細かくしている。これは調理時間短縮の為のテクニックだな。ミキサーにかけるのが面倒なら、手で握り潰してもいいだろう。
火にかける前の鍋にバター、おろしにんにく、おろし生姜を入れてから弱めの中火にかける。
「……あれ、普通熱してからバターじゃないんですか?」
「バターは焦げやすいからな。それにバターチキンカレーはその風味を活かしたいから、焦がさないようにじっくりと溶かすんだ」
バターが溶けて香りが立ってきたらカレー粉を入れる。カレー粉の香りも立ってきたらトマトを加え、弱火にして蓋をして煮込む。時々混ぜながら7〜8分ってトコか。トマトの酸味を和らげる為に煮詰めているが、あまり水気は飛ばしたくないらしいな。それでも水気が減ってきてとろみが付いたら、水と漬け込んでおいた鶏肉を鍋に加える。肉の漬け汁も一緒に入れるワケか。そこに砂糖と塩も入れて、一度沸騰させたら弱火にして再び蓋をして煮込む。
「大淀さんが辛いの苦手だって聞いたから、ちょっと甘口の味付けにしてあるんだ」
成る程、砂糖と後から入れるスパイスの量で辛さは適宜調整ってワケだ。10分程煮込んだら生クリームを飾りに使う分を残して加えて混ぜ、一煮立ち。味見をして、ガラムマサラとチリパウダーで味を調整。大淀を気遣ってか、量は少な目だ。その際、大淀が居心地悪そうにしていたのには目を瞑っておこう。後は盛り付けだけだが、今度はナンの仕上げが待っている。
ホームベーカリーから出来上がっていたナンの生地を取り出し、等分して成形。時雨曰く、
『本当は3人分の生地なんだけど、皆のカレーも食べるから小さめにしたよ』
との事だ。そういう気遣いが心憎いじゃないか。ナンの生地をお馴染みの南アメリカ大陸みたいな形にしたら、フライパンに油を引かずに焼く。油を引くとナンのような焼け具合にならないそうだ。カレーを器に盛り、生クリームとドライパセリを飾る。ナンを添えたら出来上がりだ。
「さぁ、食べてみてよ」
「んじゃ、遠慮なく」
ナンをちぎり、カレーに浸して頬張る。……おお、ナンが程よくモチモチで美味いぞ!カレーもトマトの酸味とバターのコクが美味く引き出されてるし、スパイスも辛すぎず、足らない事もない。正しく絶妙の味付け。肉も短時間の加熱なのに柔らかく、味がしっかりしている。うーむ、かなりハイレベル。他の連中も、
「おぉ……!初めて食べたが美味いなこれは!」
「これなら辛くないし、とても美味しいです」
と高い評価。ただ比叡だけは、
「う〜ん、何だかパンチが足らないような……」
お前のカレーのパンチはデンプシーロールレベルだから、お前のカレーを基
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