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Fate/PhantasmClrown
MySword,MyMaster
Act-3
#2
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アーサー王》に対する人々の信仰の結晶が、常に彼を『常勝無敗の騎士王』と定義し続けているのだ。彼はその幻想(ユメ)をくべることで燃料とし、グレーシャの魔力に頼らずとも動いているのだろう。

 このように宝具の成り立ちは大別して二つに分けられるが、もちろんそのどちらもを兼ねる宝具も存在する。
 過去の聖杯戦争では、最初のそれにおいてライダーのサーヴァントが有していた最大の宝具は、彼が生前建設した、とされる神殿であったとされる。しかもそれだけではなく、生前の「この世の全ての神殿は余が造った」という彼の発言に人々の幻想(ファンタズム)が集まった結果、彼が建設した物では無いモノも含めるあらゆるエジプトの神殿を融合させた光輝の複合神殿(ラムセウム・テンティリス)として顕現した、と伝え聞いている。
 
「まぁ、本来ならば宝具については、召喚後すぐに説明しておくべきなんだろうがな」
「いえ、問題ありません。貴方の性能に曇りが無いのであれば、私はそこには頓着しませんから」

 それは本心だった。
 グレーシャにとってセイバーとは武器。剣の代わりである。意思疎通をまるで図らないのは敗退の原因となるが、あまりセイバーの性能を知りつくして、それを過信してもいけない。二度目の聖杯戦争においてセイバーを召喚したマスターは、セイバーの強さを過信した故に、アーチャーとバーサーカーに遅れを取りかけた、と聞く。

「聖剣は使えるのですよね?」
「ああ、問題ない。真名開放も間違いなく行える。状況によっては、この街をも焼き払えるだろうさ」

 確かな自信をにじませるセイバー。
 当然だ。星々が鍛え上げた、この地球上に於いて最強の聖剣。神造兵装たる聖剣エクスカリバーは、過信してはならないが、それを誘発するほどには強力な宝具だ。何よりグレーシャにとっては、裕一の象徴でもある。

「ならば問題ありません。存分にその力を振るってください。我が王に勝利を」
「了解した」

 会話を切り上げる。
 まだ、聖杯戦争は始まったばかりだ。
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