MySword,MyMaster
Act-3
#2
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だ。まるで、自前で回収しているかのような。
アーサー王に、これらのような伝承はあっただろうか?
まるで狂戦士の様な破壊的な戦い方や、亡霊の如き挙動ならば、アーサー王がその一角としてたかられることもある『亡霊旅団の王』としての側面――嵐の王としての姿が現出したものか、と推測できるのだが……あの回復力の由来は、想像がつかない。
「……俺の鎧が不思議か?」
「あ……はい。顔に出ていましたか?」
「いや。何となくだ」
グレーシャの内心を汲んだかのように、セイバーは問う。実際のところはかまかけだったようだが、顔に出ていたというなら少し問題だ。これまで、裕一に考えていることを読まれていた可能性もある。
そう言うわけじゃないから安心しろ、恋する乙女よ――などと詩的な口調で笑うセイバーは、ふと、真剣な調子に戻る。
そうして彼の口から語られた情報。グレーシャを、大いに驚かせる、それ。
「この鎧は……というより、『俺のありよう』は、俺のもつ宝具の一つ……その効果によるモノだ。『無窮の栄光』と言ってな……まぁ、ざっくり言えば俺の状態を『アーサー・ペンドラゴン』として固定する、というモノなんだが……これは即ち、俺はどれだけ傷ついても姿が変わらないし、状態も変わらない、ということを意味する。『アーサー・ペンドラゴンがそこにいる』ということが変化しないから、俺を現界させるための魔力もほぼ必要ない――と言ったところか」
宝具。
ノウブル・ファンタズム。
人々の願いや祈り、英雄たちに対する『かのごとくあれ』という幻想が、形となったモノ。常時効果を発揮し続けるタイプと、『真名開放』と呼ばれる手段によってさらなる効果を発揮するタイプとに分かれる、とされる。もちろん、そのどちらもを併せ持つ宝具も存在すると推測できる。
大抵の場合は、その英霊が生前有していた武器や武功、造り上げた建物などが宝具に昇華されて具現化することが多い。まさしくセイバーの『聖剣』がそうであり、恐らくはあのランサーの槍もそうであろう。
しかしそれだけではない。宝具は、人々の幻想、と言った。それはつまり、後世の解釈によって創作された伝説もまた、彼ら彼女らの宝具となり得る、ということだし、もともとの宝具がさらに強化されることまであるだろう。例えば三国志演義に描かれた呂布将軍の武器として良くあげられる方天画戟だが、三国時代にはまだ存在していなかったとされる。けれども、サーヴァントとしてもし呂奉先が顕現したのであれば、その手にはかの戟が握られているに違いない。
セイバーの『無窮の栄光』なる宝具は、恐らく後者――人々の幻想によって、後から付けられたものだろう。|彼《
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