MySword,MyMaster
Act-3
#1
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ーだけは、どうしてか分からないけど六人分しか反応がないんだ」
聖杯戦争開始から一日。二日目となる朝のこと。
昨夜、雪華とセイバーのコンビと、複数のサーヴァントが交戦した。非常に強力な反応、セイバーを含む強力な反応、そして、あまり強大ではないけど、確かにサーヴァントとして、人間とは隔絶した反応。
どれもがサーヴァントだ。幸いにして脱落者は出ず、雪華とセイバーは無事一日目の夜を超えたらしい……けど、翌日になって問題が発生した。
僕の術式ハッキングはこの時点で、舞台となっている鏡面界全体の規模の把握に成功していた。おおよそ、東京都――それも、新宿区と同じくらいの規模。かつて聖杯戦争が行われた街を再現したと思しき広さだ。
そして同時に、内部にある反応全てを把握することに成功したのだ。
――けれど。
そこには、在るはずのモノが欠けていた。
「鏡面界には、マスターとサーヴァントの両方が揃っていなければ入れないのでは?」
「うん。そのはず……そのはずなんだけどなぁ」
そう。
マスターとサーヴァントの数が、釣り合わないのである。サーヴァント七基に対して、マスターと思しき弱い反応は六人分。明らかにおかしい。
残念ながら、現状では理由に関しては『良く分からない』、としか言いようがない。この聖杯戦争は特殊で、サーヴァントは一人のマスターにつき一基ずつ、しかも令呪の譲渡や再召喚は不可能。
つまり、必ず七基のサーヴァントと七人のマスターがいるはずなのだ。
なのに、今、現実に、マスターは足りない。
そもそもおかしい。この聖杯戦争には一般人が介入しないため、サーヴァントがマスターを失ったまま現界することは大変難しいのだ。せいぜいが、話に聞くスキル【単独行動】を高いランクで有しているから、としか考えられないが……。
そうだとすれば、生き残っているサーヴァントはアーチャーだろうか。だとすれば逆に、アーチャーのマスター(?)はどうして死んだのか、という、新たな疑問が浮かび上がってくる。
もちろん、アーチャーのマスターが死んだ、という確証はない。死んだのは別のマスターかもしれないし、【気配遮断】スキルのように、反応を隠す能力を持っているだけかもしれないからだ。
しかし。
しかしもし――このマスターが、最初からログインしていない、あるいは、鏡面界とこの世界を行き来する術を持っているのであれば?
その方法が、誰にでも行えるようなことなのであれば?
あるいは――術式ハッキングで、コピーすることが可能なのであれば?
それは可能性につながる。未来への道を切り開く。
雪華の命を繋ぐための方法を、僕にもたらしてくれるかもしれない。
「……調べよう」
僕は
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