British Rhapsody 〜赤城〜
Confession
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その旨を報告したそうだ。その事を提督が黙っていたのは、それがロドニーさんの意向だったかららしい。
「提督は何か言ってましたか?」
「ちょっとだけ寂しそうな顔をしてな。『そっかー……寂しくなるなぁ』と一言だけ」
「たったそれだけですか……」
「うん」
なんとそっけない……この鎮守府の正式なメンバーではないとはいえ、自身の護衛を務めてくれるロドニーさんが、この鎮守府を離れるというのに……。
「とはいえ、それがあったからアカギとの稽古を認めてくれたんだろう」
「でしょうねぇ……よく考えたら、実弾演習なんて前代未聞ですもんねぇ」
「電もその話を聞いて、震え上がったのです……電は絶対やりたくないのです……」
「ホント、よくやるよお前たちは……」
呆れ果てる2人を尻目に、目の前のクリームあんみつを堪能する私たち。本来なら、2人の反応が一番正常で正しい。喜々として実弾演習に望み、生きるか死ぬかギリギリの死闘に満足するなぞ、ただの戦闘狂でバトルジャンキーなだけなのだ。私たちは、バトルジャンキーなのだ。素直に認めよう。
とここまで考えていると、また疑問が湧いて出た。確かロドニーさん、お風呂の中で変なことを言っていた。
「そういやさっきお風呂で、ロドニーさん妙なこと言ってましたねぇ?」
「そうか?」
「何て言ってたのです?」
「この鎮守府に来た時、自分に真っ向に立ちふさがったのは、私と、提督だけだとか」
「あー……その話か」
「へー……あの、加齢臭が酷くて毎晩私にグチってたあの提督がか」
「ああ。あの方は、きっとお前たちが思っている以上に恐ろしい方だぞ?」
「死んだ魚の目をしてて、いつもいつも『知らんけど』とか言って無責任な人なのに?」
「ああ」
「確かに深海棲艦さんたちがここに来た時の司令官さんは、ゆらゆらしてて真っ暗で怖かったのですけど……」
なんか意外だ。電さんが集積地さんを連れてきてからこっち、提督の知らなかった部分をよく見るようになった気がする。確かに深海棲艦さんたちと和解した時の、あのクソ中将を追い詰めていく提督には、底のない恐怖のような感情を感じたが……
「私の二度目の来訪の時を覚えているか?」
ロドニーさんが白玉を口に運び、その感触をむにむにと堪能しながら、そんなことを口走った。その日のことはよく覚えている。ロドニーさんが持ってきた永田町からの命令で電さんが泣き崩れ、私とロドニーさんの間に一悶着あった日だ。
あの日、私は提督から泣き崩れた電さんの介抱を頼まれて、彼女と提督を残して執務室を出た。その後のことは聞いてない。あのあと何かあったのだろうか。
「お前たちが執務室から出た後、司令官が私に言ったんだ」
部屋に一人残ったロドニーさんを前にした提督は
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