MySword,MyMaster
Act-2
#1
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るそれと同じ。うん、間違いない。
「……サーヴァントだ」
「なんですって?」
隣で作業をしていたオペレーターが、僕の呟きに反応する。グレーシャと仲のいい女性だった気がする。
「まだこちらでは計測できていません。だいぶ先ですね」
「うん。セイバーとグレーシャの現在地から、徒歩で十分ばかり先――しかもこの魔力……」
間違いない。
「騎士王に匹敵するレベルの超上位サーヴァントだ……しかも正々堂々の戦闘。相当な実力の持ち主でない限りは、ランサーかライダーのサーヴァントで間違いないと思う」
ランサーもライダーも、正々堂々の戦闘を行うタイプのサーヴァント。加えて、ライダーはどちらかと言えば、サーヴァントが必ず一つ以上保有している必殺の武器や技――宝具にその実力は偏りやすいという。そう考えればこのサーヴァントはランサーだろう。
まぁ、最初の聖杯戦争においては、ランサー、ライダーともに最上級のサーヴァントで在ったと聞くけど。もうその辺は実際に見たわけではないから、僕には良く分からない。特に当時のライダーは最高級の宝具をいくつも保有する上に、本体も三騎士と渡り合うレベルの逸材だったと言われているから、もう判断基準はいよいよ不定形になっていく。
「いきなり最上位サーヴァントですか……」
「もう叫びたいですね」
「一番叫びたいのは僕だよ……」
スタッフたちの声に、僕もまた悲鳴を上げたくなる。
最上位のサーヴァントであるセイバーなら、なんとかして雪華を護ってくれるに違いない。そんな考えから、最強の騎士であるアーサー王を、最優の英霊であるセイバーで呼んだ。
けど、聖杯戦争開始直後に、そのセイバーに匹敵する英霊が現れて、早くもセイバーと雪華の安全を脅かさんとしているのだ。
さらに。
「うわ……サーヴァント二基の周囲に、他のサーヴァントも集まって来てる……一基、二基、三基……少なくとも六基が揃う……このままだと全員集合する流れだぞこれ」
「こちらでも確認しました。局長の様に、霊基の格までは確認できませんが……」
「僕もマスターみたいにステータスが見えるわけじゃないよ。でも、これは……」
あまりにも分かりやすすぎる、格。
集っていくサーヴァントたち。その内何基かは、明らかに上位サーヴァントだったのだ。
それも。セイバーに、匹敵するレベルの。
これでは騎士王を雪華に付けたことによるメリットが、薄くなってしまう。彼女とセイバーの優位性が、無くなっていく。
事態は、どんどん悪い方向に転がっていっている。
ああ雪華。どうか、どうか無事で在ってくれ。生きて帰って来てくれ――
そう祈りつつ、僕は鏡面界のハッキングをさらに進めるのだった。
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