空虚爆破事件
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!」
「力があったってな、守れねぇもんだってあるし不幸にならないわけじゃねぇよ!」
「そ、そんなのただ…」
「お前の辛さは悪いけど分からない、だがな俺がどんな思いしてきたかお前だって知らないだろ!」
「………。」
「今度、俺の視界に入ったらこの程度じゃ終わらせねぇからな。」
俺は青年を睨み付け顔をあげると黒子が立っていた。
「あの…お兄様…」
「黒子、あとはよろしくね。」
「は、はいですの。」
俺は来た道を通り戻った。
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sideチェンジ
「あの…お姉様?」
「ん?どうしたのよ。」
私は爆発のあと、湊が窓ガラスから飛び出して外に出るのをみて追いかけた。
──あの馬鹿!一人で行っちゃって…。
湊、兄は昔からそうだった。
全て周りの人優先で、自分の身なんてどうでもいいと考えてしまう性格でたくさんの人を救ってきた。
私はいつも後ろで守られてばかり、あのときもそうだった…。
私が追い付いたときは既に終わっていて、湊の姿もなかった。
「その…お兄様は昔何かあったんですの…?」
「え…?」
「あ、いえ…今日犯人に怒鳴ってらっしゃった時にそのようなこ…」
私は黒子の肩をつかみ、口を開いた。
「湊は、湊は何て言ったの…!!」
「お姉様痛いですわ。」
「あ、ごめん。」
私は黒子の肩から手を離し、もう一度聞いた。
「それで、湊は何て?」
「確か…"力があったってな、守れねぇもんだってあるし不幸にならないわけじゃねぇよ!"って仰ってましたわ。お姉様?」
私は黒子の話を聞いて歩を止めた。
──まさか、あの時の事を…?
気づけば顔を伏せて手に力を入れていた。
「お兄ちゃんの馬鹿…、何で私を頼ってくれないのよ…」
「お姉様…?」
「あ…ううん、何でもないわ。ほら、早く帰りましょ。」
私は止まっていた足を動かし歩き出した。
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