空虚爆破事件
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俺と美琴は飾利に頷いてから走った。
「佐天さんは、すぐに外へ避難してください!」
「う、うん。分かった。」
涙子は納得はしていないようだったが、外へ走り出した。
「美琴!」
俺は今、当麻と一緒に服屋さんにいったはずの女の子を探していた。
そのとき、視線の先には妹の美琴がいたため何か知っているかもしれないと思い少し大きな声で呼んだ。
「な、なによ!」
いきなり後ろから大声で呼ばれて驚いたのだろう、焦っている湊の姿をみて更に驚いた表情の美琴。
「女の子見なかったか?」
「見てないけど、あの子がどうかしたの?」
「それが、当麻がはぐれたらしくてさ…。」
「はぁ!?」
美琴は俺のYシャツの襟を掴んで怒鳴った。
「アンタ、一緒にいたはずでしょ!?あの馬鹿は…!」
「美琴苦しい…」
「あ…、ごめん。」
美琴は俺の襟から手を離した。
「とりあえず、外は当麻が探してるから俺は中に行って探してくる。」
俺は美琴にそう言って横切ろうとした。
だが、俺の腕が誰かに掴まれて前に走れない。
「私も行くわよ!」
「いや、爆弾があるから危な…」
「私はLevel5第3位よ?なめないでよね。」
俺は諦めて美琴の腕を掴まれていない方の手で掴む。
「ふぇ!?」
「はぁ…、行くよ。」
「て、手を繋がなくても良いでしょ!?」
「良いから、飛ばすよ。」
俺は美琴を引っ張りながら人混みのなかを走り、デパート内に入った。
そして、俺達は1階、2階と探す。
「あ、初春さん!」
美琴が指を指す先には、飾利と探していた女の子の姿。
飾利は俺達の存在に気付いた瞬間、大声を発した。
「あれが、あのカエルのぬいぐるみが爆弾です…!」
飾利の指が指す方を見ると、カエルのぬいぐるみが空中に投げられてぐにゃと変形した。
飾利は変形したぬいぐるみを見た瞬間、女の子をかばうように抱き寄せてた。
──あと少しで届く、間に合ってくれ…!
「初春さん…!」
俺と美琴が飾利達がいる場所に着いた時点で、爆弾は爆発する寸前だった。
美琴は走りながらスカートのポケットから一枚のコインを取りだし、美琴の異名である『超電磁砲』を撃ち爆弾を飛ばそうとしているのだろう。
「あ…、しまった…!」
だが、コインは美琴の手から滑って地面に落ちてしまった。
──やるしか…無いか!
俺は美琴達をかばうように前に立ち、右手を爆弾に向ける。
──爆弾ももとは物質だ、それなら俺の能力の範囲でもあるはず。
「お兄ちゃん…?」
後ろから妹の声が聞こえ
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