空虚爆破事件
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ーターに乗り、上の階に着くと何故か当麻が目の前で止まった。
「ちょ、当麻!急に止まるなよ!」
「あ、わりぃ。」
「どうしたんだ?」
俺は不思議に当麻が見る方に視線を向けた。
「あー、うん。」
それは、鏡の目の前で年齢にはあわない少し幼い子が着るようなパジャマを合わせて目を輝かせている妹の姿。
そして、数日前に喧嘩?をしたため全く会っていなかった事もあり少し気まずい。
「あ、あのときのお姉ちゃんだー!」
──あのときのお姉ちゃん?
俺と当麻は顔を見合わせた。
「と、とりあえず追いかけるか。」
「そ、そうだな。」
追いかけるとにこにこ話す女の子と、一緒になって笑って話す美琴。
「よう、御坂。」
「な、何でアンタがって…。」
美琴はいつものように怒ろうとしたが、隣にいる人物をみて一瞬驚きながらも静かになった。
「俺達は行こうな。」
「ちょ、アンタ…。」
「うん、またねお姉ちゃん!」
当麻は女の子の手を握って、服屋に向かった。
俺達の間に気まずい沈黙が流れる。
「何しに来たわけ。」
だが、沈黙を破ったのは美琴の方だった。
俺は正直に答えた。
「さっきの子が親とはぐれたみたいで、セブンスミスに来る予定だったって聞いたから一緒にね。」
美琴は「そう。」とだけ答えて手に持っていたパジャマをもとの場所に戻した。
「それ、買わないの?」
「湊には関係ないでしょ?」
キッと睨まれた俺は何も言えず「そうだね。」とだけ答えた。
そのときだった、少し先の所から聞きなれた声が聞こえてきた。
「御坂さーん!」
「どうしたの?初春さん。」
「湊さん!?ちょうど良いところに…!」
「えっと良く分からないけど、どうしたんだ?」
かなり焦っているのだろう。
普段の飾利ではここまで落ち着いて無いのは滅多に無いからだ。
「皆さん、落ち着いて聞いてください…!」
「初春、まずはアンタが落ち着こうね。」
と、涙子がツッコミを入れたがスルーして。
「ここに爆弾が仕掛けられています…!」
──ふーん、爆弾がねぇ…って爆弾!?
俺はポーカーフェイスで何とか隠したが、二人は驚いた顔をしていた。
それもそうだろう、いきなり友人の口から爆弾という言葉が出てくるなんて誰が想像できるだろうか?
身近にいるな…と思った方、今すぐその人を戻してあげた方が良いと思う。
「とりあえず、俺達はお客さんの避難誘導で良いのかな?」
「はい、私は係りの方に伝えて放送するように言ってみます!湊さん、御坂さん避難誘導お願いします!」
「えぇ、もちろんよ。」
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