British Rhapsody 〜赤城〜
Conversation with my Lover
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った。バゴンという鈍い衝撃が私の額を襲った。
「……ガッ!」
視界が白く霞み、あるはずのない火花のようなチカチカした輝きが目に届いた。体中の力が一瞬で抜け、右手に持ち替えていた弓を落としてしまう。
脳震盪で倒れそうになるのをなんとかこらえ、反射的に閉じてしまった目をなんとか開いた。彼女の顔が、文字通り目と鼻の先にあった。互いの唇が触れそうなまでに近づく彼女の額は、私の額に打ち据えられていた。
私の後頭部に、ロドニーさんの左手が添えられた。朦朧となった私の意識が危険信号を発する。ロドニーさんが私の後頭部を支えたまま身体を弓の様にのけぞらせた。危険信号が警報に変わり、悲鳴へと変貌する。この状況はまずい。避けなければ危うい……
ガツンという鈍い音とともに、今度は私の顔面に強烈な痛みが走った。ロドニーさんの額が私の鼻にめりこんだようだ。強烈な一撃を私の顔面に繰り出したロドニーさんは、さらに自分の額を、グリグリと私の顔に押し付けてくる。
「……ア……ガ……ッ」
「私の額に……キスした気分……は……どうだ?」
「……最っ低です……ね」
私の鼻にめり込んだ、ロドニーさんの額が離れる。先程と同じ高揚した表情を浮かべたロドニーさんの顔を見た途端、私の鼻から大量の血が吹き出した。鼻がズキズキと痛む。おまけに出血のせいでうまく鼻呼吸が出来ない。
しかし、この痛みが逆に私の意識を覚醒させた。
困った。意識が覚醒した途端、笑みが止まらない。
弓を落とした右手に力が戻った。私の顔から額を離し油断しているロドニーさんの顎を、掌打で下から突き上げ、振り抜く。ガツンという音ともに、彼女の顔は私の右手で無理矢理に上に突き上げられた。
「アカ……ッ!」
「私の唇は……あなたに捧げるためのものではない……ッ!」
振り抜いた右手をそのまま再度ロドニーさんの首から下顎に添え、左手はロドニーさんの後頭部に回す。そのまま首を固め、全体重をかけてロドニーさんを背後に倒した。二人分の体重の衝撃が、私たちを中心に大量の海水の飛沫を上げる。私はそのままロドニーさんに馬乗りになり、彼女の行動を拘束した。
「ガボッ!」
左手をロドニーさんのうなじに回し、そこを起点に彼女の首を背後に曲げる。海面に頭の上半分をつけた彼女の眉間は私を睨みつけていたが、その眼差しは、遊戯を楽しむ幼児のそれと同等に、キラキラと輝いていた。
――状況を作りなさい
「艦攻隊!!!」
鳳翔さんの教えが再び頭を駆け巡る。私は、最初に放った後ずっと隠し続けていた艦攻隊に雷撃の命令を下した。
――艦爆隊の爆撃に比べて、艦攻隊の雷撃は避けられやすい
ならば、避けられない状況で雷撃を放ちなさい
戦場の流れを読むの
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