British Rhapsody 〜赤城〜
Conversation with my Lover
[6/10]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
る。
「楽しいですよ。フフッ……あなたとの潰し合いは」
「そうか。……重畳だ……クフフフ……このロドニーは、貴公にとって良き敵か」
「ですね。あなたにとっての私と同じく。……クックッ」
「そうだな。クフッ……貴公は良き敵だ」
お互いに笑みがこぼれる。笑おうと思って笑っているのではない。互いに心が踊っているだけだ。油断していると大笑いしてしまいそうなほど、私の心は今、高揚している。
……今分かった。私は、ずっとこの日を待っていた。初対面で剥き出しの闘志をぶつけられたその日から……ロドニーさんを艦攻隊で攻め立て、艦爆隊で捉え、この腕でねじ伏せ潰しきる、今日という日をきっと待っていた。
ロドニーさんの足元から再び水しぶきが上がった。先ほどのチャージをまた行うつもりか。こちらに甲板はない。ゆえに、再び艦攻隊と艦爆隊を発艦させることは不可能だ。
「続きだ!!」
ロドニーさんが再びランスを構えて突進してきた。チャージのプレッシャーが再び私に襲いかかり、私の退避を阻害する。ランスの狙いは再び私。寸分の違いもなく、ランスはまっすぐに私の胸に伸びてくる。
「避けて見せろアカギ!」
「……」
「この愉悦、ここで終わりにしてくれるな!!」
無論です。楽しみましょうよ。互いが互いを潰すまで。
ロドニーさんのランスの狙いは確実に私。ならばランスを破壊する。私は自身の左半身をロドニーさんに向けてチャージを捌き、彼女のランスを砲塔ごと左脇で挟んで掴み上げ、彼女の突進を止めて動きを拘束した。
「艦爆隊!!」
上空で待機させていた、残りの艦爆隊が急降下を始める。爆撃の標的はロドニーさんではなくランス。耳をつんざく甲高い風切り音と共に艦爆隊が投下した爆弾は、私とロドニーさんを繋ぐランスに命中し、砲塔と穂先が損壊した。
「アカギぃッ!!!」
ロドニーさんの左肩につけられた対空砲が火を拭いた。狙いは艦爆隊ではなく私の身体。至近距離から放たれた対空砲の銃弾は私の肌を削り、肉をこそげとる。細かい裂傷が私の顔と身体に刻み込まれ、私の全身は朱に塗れた。
対空砲火にさらされても、私は彼女の挙動から目を離さない。自身の吐血で真っ赤に染まった、彼女の左手が動いた。腰の剣を逆手に持ち、鞘から素早く抜き放つ。その手が私の身体を斬りつけるべく、横薙ぎの斬撃を繰り出してくる。
「艦戦隊!!!」
開戦時に放っていた、私の周囲の戦闘機の残りが即座に反応し、彼女の剣を取り囲んで機関砲を浴びせた。いくら小さな戦闘機といえども、その機関砲はそれなりの威力がある。その銃撃はロドニーさんの斬撃を確実に捉え、私の身体に食い込む前に、彼女の剣を折った。
これで彼女に攻撃の手段はない……そう気を抜いた瞬間だ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ