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British Rhapsody 〜赤城〜
Conversation with my Lover
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左肩に備えられていた対空砲が火を吹き牽制を始める。だがもう遅い。私の艦爆隊は彼女の直上から急降下し、彼女に数多の爆弾の雨を降らせた。

「……」
「……」

 止めどなく続く爆撃の轟音が、私の耳に心地いい衝撃を伝え、水しぶきが私の火傷に心地よい冷たさと痛みをもたらした。艦爆隊の爆弾は周囲に黒灰色の煙を展開し、彼女の姿の視認を阻害する。

「……」

 私の艦爆隊が爆撃をやめ、着艦するべく私の元に戻ってきた。私が次の攻撃に備え戦闘機の矢をつがえつつ艦爆隊の着艦を待ったその時。

「甘いぞアカギ!」
「!?」

 ロドニーさんの叫びとともに、未だ晴れない黒灰色の煙の中から、再び三式弾の炎が咲き乱れ、私に浴びせられた。未だ三式弾は装填されてないと油断していた私の慢心とともに、艦爆隊の一部が三式弾で撃墜された。

「……ッ」

 序々に煙が晴れ、彼女の姿が見えてきた。撃墜された艦爆隊たちを見る。中の妖精さんたちは無事脱出をしたようだ。ならば心配はない。私は安心して矢を引き絞る。

 彼女の姿を確認する。あれだけ激しい爆撃を受けてほぼ無傷。彼女が身に付けるプレートメイルは思った以上に強固なもののようだ。ネルソン級はビッグセブンの中でもとりわけ防御力に秀でた艦だと聞いた。ならば彼女の頑丈さもうなずける。

「このネルソン級を舐めるな!」
「……」
「貴公が最強の航空戦隊なら、私は世界で最強の7人の一人だ!」

 煙の中からほぼ無傷の姿を見せたロドニーさんが、矢をつがえる私に向かって吠えた。彼女のダメージを改めて確認する。私の爆撃は、彼女の前掛けを焼き、鎧に多少のくすみをもたらしたに過ぎなかったようだ。

 自然と釣り上がりそうになる口角を、なんとか抑える。

 先程艦爆隊は撃墜されたが、私の矢はまだ尽きていない。私は戦闘機を発艦させ、私の周囲に展開させた。

 肩口の対空砲で私の航空隊を牽制しながら、ロドニーさんが次第に距離をつめてきた。私は再度後退し、矢で残りの艦爆隊を射る。艦爆隊は再びロドニーさんに向かってまっすぐに飛び立ち、再び直上からの爆撃を狙って急上昇した。

「……フッ」
「何がおかしいんですか」

 耳に届く、艦爆隊の急降下の風切り音。ロドニーさんの対空砲が射撃を止める。風切り音が猛り狂うこの状況で、私とロドニーさんを取り巻く空間は、不思議な静寂に包まれた。

「また慢心か」
「……」
「練度を上げたのは自分だけだと思うな……」
「……」
「……近代化改修を受けたのが!! 自分だけだと思うな!!!」

 私の艦爆隊の、先程よりも小さく小規模な爆撃音よりも早く、ロドニーさんの主機の稼動音が鳴り響いた。次の瞬間、彼女の身体は前方に大きく弾き飛ばされていた。

「あなた
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