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フロンティアを駆け抜けて
幽玄なるチャンピオン
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ぞれの叫びにかき消される。メガメタグロスが4つの腕を杭のように地面に突き刺し、念力を腕から地面に伝えることで地震を引き起こそうとしたとき――急に、メガメタグロスの動きがブレーカーが落ちた機械のように停止した。

「……ちっ」

 ダイバが小さく舌打ちして、空を見上げる。ジェムも釣られてそちらを目をやると、安楽椅子が宙に浮いていてそこに白髪の老人が座っているという奇妙な光景が見えた。その老人はやたら間延びした声でダイバに語り掛けた。

「そぉーこまでにしておきなさい。施設の外であぁーまり派手に戦われては我が孫といえど見過ごせまぁーせんからねえ」

現れた博士は手に持った赤いスイッチをあからさまにダイバに見せる。それでメタグロスの行動を停止させたようだった。

「……施設の外でバトルしちゃいけないルールはない」
「お前は限度というものを知りまぁ―せんからねえ。メガシンカしたそれで地震など起こせばどぉーうなるか想像がつくでしょう?」
「……」
「そぉーれに、我が義理の息子もお前にはぁーなしがあると言っていましたからねえ。すぐにバトルタワーへ向かうのぉーです」
「わかったよ……」

 自分より年下とは思えないほど重々しいため息をつくダイバ。完全に動かなくなったメガメタグロスをボールに戻し、ジェムやチャンピオンに何の説明もなく踵を返してしまう。

「待って!どうしてあなたは、お父様と戦ってたの?」

 ジェムがここに来た時の状況の理由を聞く。ダイバは振り向くことなく言った。

「チャンピオン、僕はお前を超える。シンボルを7個集めて、正式な場所でお前を……完膚なきまでに倒してみせる」

 それは返事ではなく、チャンピオンに対する挑戦だった。そのままダイバはバトルタワーの方向へ去っていく。ジェムの事は、完全に無視していた。

「わたしも帰るのです。……ここにいると、甘ったれた発言に苛々させられるので」

 アルカもウツボットを隣に連れたまま、去っていってしまう。甘ったれた、のところで睨まれたので、ジェムには何も言えない。ジェムの父親も、特に何も言わなかった。

「あれ……そういえば、ジャックさんは?」

 途中からいつの間にかいなくなっていた自分の師匠を探す。自分の知らない態度を取られたり無視されたり睨まれたりして少なから傷つき、安心できる人に声をかけてほしくなったのだ。だが見つからないし声をかけてもくれなかった。

「見つからないな。あの人は昔から神出鬼没だから、探しても仕方ない。……ティヴィル博士は何かご存知ですか?」
「彼ならさっき私のラボに来たとぉーころですからねえ。我が孫を止めるために私を呼ぶあぁーたり相変わらず人を利用するのが上手いことです」
「そ
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