20話「ロリのために労働しているが、俺はロリコンではないA〜祖父との対面〜」
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人生にやさぐれて絶望したサラリーマンのような男……ドナルド先輩と出会ったのは、俺が11歳くらいの年齢だったと思う。
その頃、先輩は冒険者支援学校で魔道学の講師をやっていて、とっても嫌そうな顔を全く隠さず、授業をやって生徒たちからは大不評だった。
昼休みになる度に『こんなクソガキどもに魔道教えるの面倒臭い』『ちょっと昼寝してくる』とセリフを吐いて、どっかにトンズラして授業をサボった事もある不良講師だ。
人生が面倒臭い、生きるのも面倒臭い、魔物を狩るのも生活のために渋々やっていて、とっても生きるのが不器用な人なのだが……最悪すぎる第一印象を覆すくらいに、魔道に関する知識が凄い男なのである。
敵対陣営である魔族から学んだとしか思えないくらいに、適当に話す内容が高度すぎて、生徒のほとんどが魔道の道をやめちゃうくらい、素人置いてけぼりの超上級者向け授業をやっていた……講師には全く向いてないから、すぐにクビになったそうだが。本に載っていない理論なども、面倒臭そうに話していた彼の事を、俺はよく覚えている。
「君、可愛いねぇ〜。トモヤ君も隅に置けないなぁ〜。小さくても付き合うなら性格が良い娘に限るよね〜」
「お師様って有名人なんですか?なんか魔道学で有名とか言ってましたよね?」
通路を歩きながら……白真珠がドナルド先輩に聞いてしまった。俺の心臓がドクンッと脈動する。言ってない隠した過去と繋がっている内容なだけあって、激しく緊張して俺の心臓が痛かった。しかし先輩は俺のそんな様子を見て楽しそうに――言葉を続ける。
「そりゃね。最年少でプラチナバッジを獲得した有名人で、魔族に通用する魔法の開発者にして、しかも僕の後輩で生徒なんだ。知っていて当たり前だろう?」
「プ、プラチナバッジ!?」
「ほら、この胸につけている白い奴がプラチナバッジさ。まぁ銀バッジと区別するために白色に染めてしまったから豪華さの欠片もなくて残念なんだけどね。安っぽく見えるし、偽バッジだと希に勘違いする奴も出てきて大変で面倒だよ。白バッジとか言われて馬鹿にされた事もあるね」
「凄いです!お師様が元プラチナバッジだなんて!あれって100億円くらい稼げるトップ冒険者じゃないと駄目っぽい奴ですよね!たぶんっ!」
「おっと話はここで終了だ。この先がブラドさんがいる部屋だよ。選挙中だから普段はあっちこっち移動しているけど、トラックを使った爆弾テロがあったからね。念の為にここで休憩してもらっているのさ」
その部屋の扉は白かった。扉の両隣に並んでいる金バッジ冒険者の服も白い。黒づくめの俺達と、茶色のくたびれたスーツを着たドナルド先輩が異物に見えるくらい、何もかも真っ白だ。
ドナルド先輩が扉を開く。無遠慮にその先に行くと――誠実そうな白いスーツを着た、銀髪の初老の男
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