MySword,MyMaster
Act-1
#2
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からである。
***
それは突然のことだった。
聖杯研究機関の本部には、常に『聖杯戦争』が引き起こされる兆候を監視する装置がいくつもある。全世界、全地球、あらゆる場所を監視できる装置が、だ。
その監視装置が――機関設立から十年以上たつがその内で初めて――反応を示したのである。
聖杯戦争開幕の予兆。
七人のマスターが選抜され、サーヴァントを召喚し、聖杯に辿り着くための殺し合いを始める、前触れ。
聖杯研究機関…より正しくは現代円卓騎士団の内の『聖杯研究部門』にあたる組織である…は、最初に聖杯戦争が行われた1991年に設立され、以後聖杯戦争の開幕を常に、常に待ち望んできた。二度目となる1999年の聖杯戦争の際(この時期に父親が死んでいる)はマスター枠が先に埋まってしまい、参加ならず。故に今度行われる聖杯戦争には確実に参加するべく、例の装置が設置されたことを考えれば、その並々ならぬ願望が良く分かってもらえると思う。
なぜ、こんな時代錯誤な騎士団が、時代錯誤なマジックアイテムを求め、最先端の魔導技術を使っているのか。その解答は、機関局長にして騎士団長である束家の、『伝承保菌者』たる由縁――『聖剣』にある。
束家はもともとはイングランドの一族だったという。僕が金髪碧眼なのは先祖返りというワケではないのでそれとは関係ないらしいが、遠い祖先はイギリス人だ。
そして、その家系をさらに、さらに遠く遠くたどっていくと。
祖先は、ある二人の兄弟の、どちらかに絞られる。
兄の名は『アンブロシウス』。
弟の名は『ユーサー』。
兄はかつて、ブリテンを平定した常勝の王。しかし知名度的には、恐らく弟の方が圧倒的に高い。
いや、正しくは、『その息子の知名度』が高いのである。
彼の名は、『アーサー』。五世紀ごろ、神秘衰退せしブリテンにあって、妖精の鍛えた星の聖剣を携えて、ブリテンを支配していた悪竜ヴォーティーガーンやサクソン人を討ち果たし、ピクト人を退却させ、さらにはローマ遠征をも成功させた、伝説の騎士王。
円卓の騎士と呼ばれる最強の部下たちを引き連れ、あらゆる開戦を連戦連勝。部下にして息子であるモードレッド卿の裏切りによって円卓が瓦解するまで、キャメロットの栄光を維持し続けた。
最後はモードレッドと相討ちとなり、聖剣を騎士ベディヴィエールに預けて湖に返還させ、それを見届けて息絶えた、あるいは永遠の理想郷アヴァロンへと収納された、とされる。
もうお分かりだろう。
束家は、間接的、あるいは直接的なのかは不明だが、この騎士王アーサー・ペンドラゴンの血を継いでいるのである。
そしてアーサー王に関連する『聖剣』と言えば、もはやその種類は限
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