MySword,MyMaster
Act-1
#2
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からないけど、どこかに出かけた後、骸になって帰ってきた。何か任務にでも失敗したんだろう。目を剥いた主治医が「死体には絶対に触るな」と言っていたが、そもそも死骸に触る趣味は僕にはないので普通に聞いた。よく分からない。
それはそれとしてともかく。
僕はこの現代の騎士団のリーダーに、繰り上がるような形でなってしまったのである。戦闘能力ないのに。
幸いなことにメンバー達とは仲がとてもよかったため、反対して反逆してくる人とかは特に居なかったんだけど、代わりに安全は脅かされる事になった。
そこで騎士団の12人の幹部達が協議した結果、僕に傍使えを、ついでに護衛として付けることになる。
選ばれたのがグレーシャだったというワケだ。
彼女は、僕と父さんがかつて戦地で救った戦争孤児だ。以後なぜか僕によく懐いてくれていたが、四年間会っていなかった。
再会した、12歳になっていた彼女は、空恐ろしいまでの美少女に成長していた。僕の心は一瞬にして打ち抜かれ――こう、なんというか、うん。まぁつまり一目惚れしたわけである。
もちろん外見だけが好きなわけではないが、全部語ると日が暮れるので割愛する。
ともかく、彼女は僕の傍使え兼護衛として就任した。『グレーシャ・スノードロップ』という名前はその時に騎士団につけられたコードネームのようなもの、らしい。それまでは普通に雪華と呼んでいた。よくわからない。僕にもカタカナのコードネームがあるらしいけど聞いたことが無い。
彼女はとても献身的で、従順で、ついでに自己評価が大層低い。
確かに、普通の魔術師として見た場合、彼女は三流も良い所だ。
しかし彼女の真価はそこではなく、『単騎による護衛戦』にある。一回だけ模擬戦みたいなのを見たことがあるけど、もう何かよくわからなかった。うん。理解できない強さと言うかなんというか。「まじゅつのていぎがみだれる」というか。1990年代に流行ったという、どっかで聞いた、『和装の殺人鬼』の都市伝説の話を思い出すくらいには。
あと外見に関する頓着が薄い。これも多分自己評価が低いからだ。平気で胸を押しつけてきたりする。気付いてないんだと思う。心臓に悪い。
兎に角、こんな素敵な女の子が、僕を好きでいてくれる確率は大変低いと推定される。いつも従順に何でもいうことを聞いてくれるのは仕事だからだろう。
僕自身、自制は効く方だと思ってるから、全力を以て恋心を隠匿している。ばれた暁には多分大変な事になるだろう。そもそもなんだよ、20歳にもなって。中学生かよ。
さて。
何でこんなどうでもいい…僕にとってはまるでどうでも良くない…話を今したかと言うと。
――場合によっては、彼女と今生の別れになる可能性のある事態に、遭遇している
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